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2007年1月31日(水) Don't bring me down
      
 ぴかおさんによるL.E.O「Alpacas Orgling」評(2007/01/30分)を読んだんですが。少々異議がありまして。
 「そもそもE.L.O.(エレクトリック・ライト・オーケストラ)の音楽性がビートルズのパスティーシュなわけで」っていうのは、ちょっと違うような気がするんですよ。
 たしかにジェフ・リンのビートルズ狂いはよく知られているし、E.L.O.には明らかにビートルズライクな楽曲もあります。(「Mr.Blue Sky」とかね。)
 でももともとE.L.O.は、弦楽器とポップソングを合体させたらどうなるかという実験的発想から生まれたグループですし、ロイ・ウッドが離脱してジェフ・リンが完全に主導権を握ってからは、ビートルズのポップでメロディアスな部分を純粋培養したようなサウンドがメインになってはいくものの、「ビートルズのパスティーシュ」を狙っていたわけじゃないと思います。あまりに単純化しすぎです。
 こういう言い方で良いなら、たとえばティーンエイジ・ファンクラブはビッグ・スターのパスティーシュだし、スパジーズはラモーンズのパスティーシュだし、YMOはクラフトワークのパスティーシュだ、ってことになっちゃいますよ。
 だから、「L.E.O.はパロディのパロディだからつまらんのだ」という論理展開にもちょっと納得しかねると。
 少なくとも僕は、L.E.O.のサウンドを聴いて、ビートルズを思い浮かべはしませんでした。思い浮かべたのはやっぱりE.L.O.です。それだけE.L.O.のサウンドには記名性があるのです。
 で、L.E.Oは、E.L.O.サウンドのエッセンシャルな部分をうまくすくいとっているように思いました。そのこと自体「批評性」が働いているのだともいえるのではないでしょうか。
 僕の勝手な想像ですが、ぴかおさんは本家E.L.O.自体があまりお好きじゃないんじゃないかなあ。L.E.O.がE.L.Oのパスティーシュである以上、それが楽しめるかどうかは、本家の音が好きか否かで90%くらいは決まると思うので。
 でも、だからといってビートルズにまで遡って云々ってのはちょっと辛いなあと思うのでした。反論お待ちしてます。

(参 考)
 僕が書いた「Alpacas Orgling」の感想。(2007/01/09)
 あ、「ELOなんか知らなくったって、ポップソング好きならば素直に楽しめると思いますよ、これは。」なんて書いてるよ。
 うーん、これは正しくないかもなー。やっぱ間口の狭い音楽だったのかなー。

2007年1月30日(火) Wave
◆テリー・ボジオ御用達ドラムセットの組立て映像
 telの日常三昧経由。うあはははははは。バスドラいったいいくつあるんだよ。


  
○V.A.「Nosso Tom -Antonio Carlos Jobim songbook」(2007)
 日本人ミュージシャンによるトム・ジョビン・トリビュート。なんでもジョビン生誕80周年記念っていうことらしいです。
 参加アーティストは、アン・サリーや畠山美由紀、青柳拓次、ボファーナ、小池龍平、Saigenjiなどなど。
 例の「りんごの子守唄」赤盤・青盤のメンツとおもいきりかぶってますね。でもプロデューサーは鈴木惣一朗氏ではなくて、中原仁先生でした。
 全編「声とギター」が基本アレンジ。シンプルかつ本格的です。そしてものすごく甘さ控えめ。ストイックというか。アン・サリーや畠山美由紀、高田漣のトラックなんかはハードボイルチックにすら感じました。
 これはこれでとても高クオリティだけど、1曲か2曲、通俗的に甘ったるいトラックがあってもよかったかなあと思いました。すいませんぜいたくで。

2007年1月29日(月) Neat Neat Neat
 出たばかりのレッド・ツェッペリン「Live At Earls Court 1975」DVD、ブート以下の画質だという話ですが。
 音質はどうなんだろ。気になる。


  
○ダムド「地獄に堕ちた野郎ども」(紙ジャケット仕様)(1977/2007 reisue)
 リリース30周年記念としてリリースされた紙ジャケCD。
 25周年の時も紙ジャケが出ましたが、今回は”幻の初回盤”を再現したというのが売り。
 どんなのかというと。写真その1その2。左が今回の紙ジャケ、右が25周年紙ジャケです。
 要するに、シュリンク上に貼られた全面ステッカーと、裏ジャケにエディ&ホットロッズの写真を掲載したミステイクジャケを再現してあるということです。(残念ながらSTIFFのロゴは使用できなかったらしく、CD盤面はちょっと間抜けな感じになっていますけど。)音の方も新規リマスターらしく、なかなかよろしい。なお、ビートルズ「HELP」のカヴァーなど、シングルB面曲が2曲追加収録されています。
 このアルバムは、ロンドン・パンク最初のアルバムとしてあまりに有名なわけですが、ダムドというバンド自体の人気は、当時の日本では低かった記憶があります。セックス・ピストルズやストラングラーズ、クラッシュ、ジャムといった同時代のグループに完全に負けていました。
 その原因は(つらつら考えるに)やっぱり彼らの音楽の持つ特質によるのではないかと思えます。ダムドの音楽って前述のバンド群に比べると、あまり発展性がない感じがするんですよね。初期衝動一発というか。しかもとことんB級ぽいし。当時の日本のロックファンが求めていたものとは、ちょっとズレていたような気がするのです。
 でもこのアルバムに関していえば、その初期衝動一発なところが実に生々しく記録されていて、めちゃくちゃカッコいいわけです。今なお十分リアル。どこまで計算していたのかはよくわからないのですが、これをプロデュースしたニック・ロウはつくづく偉いと思いました。まる。

2007年1月25日(木) This is how I disappear
◆「Stax/Volt 1959-1968」、再リリース!(HMV Japan)
 おおこれ再発されるですか。60年代ソウル好きにはマストのボックスですね。ああひさしぶりに聴き返したくなった。


  
○マイ・ケミカル・ロマンス「ザ・ブラック・パレード」(2006)
 「死」をテーマとしたコンセプトアルバム。「サージェント・ペパーズ」と「ザ・ウォール」と「オペラ座の夜」にインスパイアされたのだという。最初ざっと聞いたときには「ふーん。なるほどね」くらいの感じだったのだが、二度目に歌詞カードを見ながら聴いたら、いきなり印象が変わった。すげえ泣けるやん、これ。

 特に起伏に満ちたストーリーがあるわけではない。このPVを見ればわかるとおり、癌で死期の近づいた患者のところに”お迎え”(ブラック・パレード)がやってくる。それだけの話だ。
 全編にわたって、死にゆく者のつぶやき(現世への未練、愛する者を残していく悲しみ、死への恐怖と絶望と諦念)が馬鹿みたいにエモーショナルなメロディと、過剰にドラマティックなサウンドに乗って、ただひたすら語られてゆくだけ。
 でも、それがすごくせつないのだ。そして不思議なことだが、「死」をテーマにしているくせに、これを聴いていると「生きる気力」がむくむくと湧いてくるのであった。
 たぶんそれは(タイトル曲で何度もリフレインされるように)「We'll carry on/僕たちは進んでいく」という認識が、この作品の根底に横たわっているからなのだと思う。

 CD帯に「マイケミはこの一枚でロック・シーンに永遠に名を刻む」と書いてあるけれど、そうなのかどうかは正直よくわからない。でも、少なくとも僕の身体の中にこの音楽と言葉は刻みこまれた。完全に。

「僕が子供だったとき 父は マーチングバンドを見せに 街に連れていってくれた/父は言った 息子よ おまえが大人になったら傷ついた人々を救ってくれるかい? うちのめされ 呪われた者たちを/悪魔たちをうち負かしてくれるかい? なにも信じようとしない者すべてと そのたくらみを?/いつか私は おまえの元を去り 幽霊だけを残していく/おまえが夏に ブラック・パレードに加われるように」(「Welcome To The Black Parade」)


※ 効果には個人差があります。当たり前ですが。個人差がない方が気持ち悪い。

2007年1月24日(水) I know it's over
  
○ザ・スミス「ランク」(紙ジャケット仕様)(1988/2006 reissue)
 未聴紙ジャケCDを淡々と聴くよ。その8。
 解散後にリリースされた唯一のライヴアルバムです。1986年10月23日、キルバーンのナショナル・ボールルームでの演奏を収録したもの。もともとはBBCによって放送用に録音された音源だそうです。
 その日演奏されたのは全部で21曲だったようですが、ここに収められたのは14曲。「クイーン・イズ・デッド」リリース後のツアーであるため、演奏曲もそこからが中心となっています。
 彼らはついに日本に来ることがなかったので、これがリリースされたときには「ライヴ音源が聴ける」というだけで単純に嬉しかった記憶がありますね。
 スタジオヴァージョンよりもラウドで熱い演奏が全編で展開されていますが、それでいてラフにならないのはさすがジョニー・マーって感じです。それから、最初モリッシーが出てくるなり「ハロー!」とがなっているのにもびっくりしました。
 ちなみに、セカンドギタリストとしてクレイグ・ギャノンが参加しています。

「愛しいひと 愛しいひと/君の歯を全部へし折ってやるって言ったけど あれはただの冗談だったんだ/愛しいひと 愛しいひと/ほんとにただの冗談だったんだ 君はベッドで棍棒で殴られるべきだなんて/ああ今 ジャンヌ・ダルクの気持ちがよくわかる/僕にはよくわかるんだ/炎が彼女の高い鼻に迫り ウォークマンが熔けだしたときの気持ちが/おしゃべり野郎 おしゃべり野郎がまたやってくる/僕には 人類の仲間に入れてもらう権利なんてないんだ」(「Bigmouth Strikes Again」)

 紙ジャケはE式ダブルジャケット+コーティング+ステッカー+ポスター封入。内袋と日本盤帯も再現されています。当時まだ日本でもアナログ盤がリリースされていたんですね。
 ジャケットを飾るスターはアレクサンドラ・バステード。TVシリーズ「電撃スパイ作戦」に出演していた英国女優だそうです。英語版Wikipediaの記事には「1960年代で最も美しい女優の一人」なんて書いてありますね。

2007年1月23日(火) I started something I couldn't finish
  
○ザ・スミス「ストレンジウェイズ・ヒア・ウィ・カム」(紙ジャケット仕様)(1987/2006 reissue)
 未聴紙ジャケCDを淡々と聴くよ。その7。
 最後のオリジナルアルバムです。この作品については、以前こんなテキストを書きました。
 付け加えるべきことはほとんどありません。 バンドが崩壊する直前の一瞬の輝き。そういうことです。

「ディスコ・ダンサーの死 このあたりじゃ珍しくもない/もしも「平和」とかいうやつが 共通のゴールだなんて思っているのなら/君は自分の無知をさらけ出しているだけ/ディスコ・ダンサーの死 できたら関わりあいになんかなりたくない/近所の人とも話をしたことなんてないし なんの関わりも持ちたくないんだ/「愛と平和と調和」?/「愛と平和と調和」だって?/ああ いいね 素敵だ すごく素晴らしいね/どこか別の世界でならね」(「Death Of A Disco Dancer」)

 紙ジャケはE式シングルジャケット+エンボス+コーティング。内袋と日本盤帯の再現。
 ジャケットを飾るのは俳優リチャード・ダヴァロス。「エデンの東」撮影時の写真だそうです。
 この人もモリッシーのお気に入りらしく、解散後の'92年にリリースされた「Best...I」「Best...II」のジャケットを再度飾っています。しかもすべて「エデンの東」からのショットです。


※ ひとつだけ付け加えます。アルバムタイトルを「ほらやってきた、こんな奇妙なやり方で」と訳してみましたが、
  よく知られているように「Strangeways」というのは、彼らの出身地マンチェスターにある有名な刑務所の名前です。
  だからタイトルは「やってきたよ ストレンジウェイズ刑務所に」と訳すのがストレートなんでしょうね。  

2007年1月22日(月) Is it really so strange?
  
○ザ・スミス「ラウダー・ザン・ボム」(紙ジャケット仕様)(1987/2006 reissue)
 未聴紙ジャケCDを淡々と聴くよ。その6。
 英国で「ザ・ワールド・ウォント・リッスン」がリリースされたのとほぼ同時期にリリースされた米国仕様編集盤です。
 基本的にシングル音源ばかりを収録しているのは「ザ・ワールド…」と同様ですが、あちらが1枚もので16曲収録だったのに対し、こちらは二枚組で全24曲でした。(CDでは1枚に全曲収録されています。)
 曲数が多い分、どうしてもアルバムとしてのまとまりに欠けてしまうのは仕方のないところ。でも、「ザ・ワールド…」には収録されていなかった「シーラ・テイク・ア・バウ」(当時の最新シングル)や「スウィート・アンド・テンダー・フーリガン」などが聴けるのは、それなりに魅力的かもしれません。

「自分ひとりで生きたいと思うのは間違ってるかって?/いいや 間違ってないよ/でも そんなに若いのになぜ そんなに悲しそうに歌うんだい?/シーラ お辞儀をしなよ 賞賛に応えて/この薄汚い世界の急所を 蹴り飛ばしてやるんだ/そして 今夜は家に帰らなくていい/外へ飛び出して 愛しあえる誰かを見つけるんだ」(「Sheila Take A Bow」)

 紙ジャケはE式ダブルジャケット+コーティング。茶色いインナーバッグも再現。当時、日本盤アナログは発売されなかったので、残念ながら帯の再現はありません。
 ジャケットに写っている女性はシェラ・デラニー(Shelagh Delaney)。イギリスの劇作家です。映画化もされた「蜜の味」が有名ですね。彼女はモリッシーのアイドルの一人らしく、シングル「ガールフレンド・イン・ア・コーマ」のジャケットにも再び登場しています。

2007年1月21日(日) Blue Suede Shubert
◆矢口真里+保田圭が歌う「元気を出して」
 彼女について知っている二、三の事柄経由。
 たしかにいいなあ、これは。二人で正式にデュオ組んで活動すればいいのに。
 YouTube内を探したら、矢口が歌う「中央フリーウェイ」保田が歌う「真夏の出来事」(なんと平山みき本人とのデュエット)なんてのもあった。いいねえ。

  
  
○ザ・ラトルズ「四人もアイドル」(紙ジャケット仕様)(1978/2007 reissue)
 ビートルズ・パロディの最高峰、ラトルズのアルバム「4人もアイドル(ALL YOU NEED IS CASH)」が紙ジャケ化されたのでご紹介。発売元であるMSIに直接予約しておいたら、先週の日曜にもう届いてしまいました。(公式発売日は1/25)
 音源としては以前にリリースされたライノ盤と同じなので、オリジナルアナログ通りの曲順ではないですが、パッケージの出来は高水準です。A式(印刷した紙を芯紙に貼り付ける方式)ダブルジャケット、内袋(歌詞や架空のアルバムを掲載)、思わず笑えてくるギャグ満載のフルカラー・ブックレット、レーベル(パーロフォンのパロディ)の再現。
 参考に自分で撮った写真を置いておきます。その1その2
 ジャケット内側やブックレットには、詳細なラトルズ・ヒストリーや、ミック・ジャガー、ポール・サイモンがラトルズとの関わりを振り返る(という設定の)インタビューが掲載されているんですが、この日本語訳もちゃんと付いてます。
 ニール・イネスの才気溢れる曲&演奏(なんど聴いてもその素晴らしさに感動します)とともに、ビートルズが好きであればあるほど飽きず楽しめる紙ジャケですね。
 税込3,360円というのは少々高いですが、1000枚限定とのことなので、必要な方は昼食抜いてでも買っておかれた方がよいかと。(ジャケなんかどうでもいいや音が聴ければ、という人は前述のライノ盤を。安いですし。)
 で、映像版「四人もアイドル」の方も今やDVD化されて簡単に入手できるので、未見の方はぜひ。


※ といいながらDVD買い損ねてるんだよなあ。ビデオ(VHS)は持っているんだけど。

2007年1月20日(土) Bigmouth strikes again
  
○ザ・スミス「ザ・ワールド・ウォント・リッスン」(紙ジャケット仕様)(1987/2006 reissue)
 未聴紙ジャケCDを淡々と聴くよ。その5。
 今度は「誰も聴かないだろう(The World Won't Listen)」ときました。「シェイクスピアズ・シスター」以降のシングル曲を中心に集めた編集盤です。ただし、編集盤とはいえ、収録された18曲中、過去のアルバムに収録されているのは4曲だけなので、聞き逃すわけにはいかないアルバムでもあります。
 「あのDJを吊るせ!」という歌詞が問題視された「パニック」や、モリッシーが引っ込み思案な少年に優しく語りかける「アスク」、「16歳で不器用で引っ込み思案/それが僕の人生の物語」と歌われる「ハーフ・ア・パーソン」、サンディ・ショウなどと並んでモリッシーのアイドルだったというトゥィンクルのカヴァー「ゴールデン・ライツ」などなど、印象的なトラックが多数収録されています。スリリングかつドラマティックなインスト・ナンバー「オシレイト・ワイルドリー」なんてのもありますし、繰り返し繰り返し聴きましたね、このアルバムは。だから個人的な愛着も人一倍あります。

「君は不思議におもっている/熱望している愛が なぜいつも君の横をすりぬけていってしまうのか/なぜ人はみな 君に対して 乱暴で冷酷なのか/なぜだか僕が教えてあげよう/なぜだか僕が教えてあげよう/君がまだ "それ"を得ていないからだよ ベイビー/君はまだ "それ"を手に入れていないんだ ぼうや/だから君は もっと長い間 苦しんだり泣いたりしなきゃならない」(「You Just Haven't Earned It Yet, Baby」)

 紙ジャケはE式シングルジャケット+コーティング+ステッカー。内袋・日本盤帯再現。ちなみに、18曲収録なのに貼付ステッカーに「16 TRACKS」と書いてあるのは、アナログ盤が16曲収録だったせいです。
 ジャケットに使用された写真はユルゲン・フォルマー著「Rock'n'Roll Times」から。 
 既発CDにおいては、アナログ盤のアートワークをトリミングしたものが使用されていましたが、紙ジャケではもちろんオリジナルどおり。やっぱりこうでなくちゃいけません。

 これまで紹介してきたように、ザ・スミス(というかモリッシー)は、アルバム・アートワークに一貫した方法論とセンスを用いてきました。それはシングルのアートワークにおいても一貫していて、このことがバンドのイメージ醸成に大きく影響していました。このシングル一覧を見てもらうと、そのことがよくわかります。
 「ディス・チャーミング・マン」のジャン・マレイ「心に茨を持つ少年」のトルーマン・カポーティなんて、ほんと素晴らしいと思いませんか。


※ ユルゲン・フォルマーは、アストリッド・キルヒャーやクラウス・フォアマンとともに、ハンブルグ時代の ビー トルズの
  友人だった人物。ジョン・レノンのアルバム「ロックン・ロール」のジャケ写撮影でも有名です。

2007年1月18日(木) Never had no one ever
◆第9回 2006紙ジャケグランプリ
 紙ジャケ評価のパイオニア「紙ジャケ探検隊」による選考。これ見てると、2006年はソニー紙ジャケの年だったことがよくわかりますね。そういや「ロータスの伝説」、結局買わなかったな…。


  
○ザ・スミス「クイーン・イズ・デッド」(紙ジャケット仕様)(1986/2006 reissue)
 未聴紙ジャケCDを淡々と聴くよ。その4。
 ザ・スミスの最高傑作であることに間違いないでしょう。今の耳で聴いても、まったく弛みや綻びの見つけられない作品です。頭から尻尾まで、名曲がずらりと並んでいます。アルバムタイトルもあいかわらずすごくて、「肉食は殺戮だ」をはるかにしのぐ「女王は死んだ」ですし。スポンジと錆びたスパナを手に王宮に押し入ってみると、女王は「あなたを存じております。歌えない方ですよね」と言うのです。

「今夜 僕を連れ出してくれ 人混みや街の明かりが見たいんだ/君のクルマで行こう お願いだから家になんか送らないで/だって あれはもう僕の家じゃない "彼ら"の家だ 歓迎されないのさ/もし二階建てバスが 僕らに突っ込んできて 君の横で死ぬことになったら それは最高に素敵な死に方/もし10トントラックが 僕ら二人を殺すのなら 君の横で死ぬことは 僕にとって快楽と栄誉/けして消えることのない光がある/消えてしまうことのない光がある」(「There Is A Light That Never Goes Out」)

 紙ジャケはE式ダブルジャケット+コーティング。内袋と日本盤帯ももちろん再現してあります。
 ジャケットを飾るスターは(一見そうは見えませんが)アラン・ドロン。1964年の映画"L'insoumis" (邦題は「さすらいの狼」)から。彼は内袋にも別のアングルで登場しています。

2007年1月17日(水) That joke isn't funny anymore
◆キリンラガービールにYMO(自然体。)
 サディスティック・ミカ・バンドの次はYMOかー。CMで「ライディーン」演奏してみせたりするんだろうか。あまり醜態さらしてほしくないんだが。あ、ユキヒロ氏は連続出場やん。


  
○ザ・スミス「ミート・イズ・マーダー」(紙ジャケット仕様)(1985/2006 reissue)
 未聴紙ジャケCDを淡々と聴くよ。その3。
 「ハットフル・オブ・ホロウ」からたった3ヶ月後にリリースされたザ・スミスのサードアルバムです。
 「肉食は殺戮だ」というアルバムタイトルには、当時困惑した覚えがあります。なんていうか、空気の読めない人が付けたタイトルみたいで。「今ここでそんなこと言わんくても」って感じ。(モリッシーはマジで菜食主義者らしいですけど。)
 それはともかく。バンドとしてのパワーは明らかにスケールアップしています。マーのギターは自信に満ち満ちていますし、モリッシーのヴォーカルも堂々としてきました。そして(問題児)アンディ・ルークが弾くゴリゴリしたベースのカッコいいこと。バンド・ポテンシャルの高さは、オープニングを飾る「ザ・ヘッドマスター・リチュアル」を聴いてみれば十分理解できるはずです。
 
「君のメンタリティが 君の身体に追いついた日/僕は 手に入れることのできないものが欲しい/欲しくて欲しくて 頭がおかしくなりそうだ/僕の顔を 見てもらえばわかるだろう/ダブルベッドと たくましい恋人/これこそ 貧者の富/ダブルベッドと たくましい恋人/これこそ 貧者の富」(「I Want The One I Can't Have」)

 紙ジャケはE式シングルジャケ+コーティング。内袋・日本盤帯再現。「肉喰うな!」という帯コピーは名作ですね。
 ジャケットの写真はドキュメンタリー映画「In The Year Of The Pig」(1968)から。ただし、少年兵のヘルメットに書かれていた「MAKE WAR NOT LOVE」という言葉は「MEAT IS MURDER」に書き換えられています。


※ 町田町蔵(a.k.a 町田康)のバンドINUがリリースしたアルバム「メシ喰うな!」('81)を踏まえたものだと思われます。

2007年1月16日(火) Accept yourself
  
○ザ・スミス「ハットフル・オブ・ホロウ」(紙ジャケット仕様)(1984/2006 reissue)
 未聴紙ジャケCDを淡々と聴くよ。その2。
 ファーストから1年も経たずにリリースされたザ・スミスのセカンドアルバムは、変則的なものとなりました。シングルのみでリリースされた音源に、BBCレディオ1でのスタジオライヴ音源を加えた編集盤です。
 こういう形態のアルバムは、往々にしてレコード会社側の事情によってリリースされがちですが、このアルバムに限っていえば、メンバーの意思も大きく働いていたようです。つまり、BBCセッションで演奏した曲(ほとんどがファーストアルバム収録曲)の出来が、オリジナルVer.より良いとメンバー自身が感じたと。だから「決定的Ver.」として公式リリースしておきたかったと。そういうことのようです。
 確かにこのアルバム全体をおおう統一感とテンションの高さは尋常ではありません。50分を超える(アナログ盤としては)長時間収録であるのにも関わらず、全くだれることがないのです。もちろんそれはスタジオライヴ音源だけに由来するものではなく、「William, It Was Really Nothing」や「Heaven Knows I'm Miserable Now」、「How Soon Is Now?」といったシングル曲のクオリティの高さが大きく寄与しているのですが。当時僕も、ファーストアルバムよりむしろこちらのアルバムの方を繰り返し聴いたおぼえがあります。

「酔っぱらって もうろうとしていた時は幸せだったよ/でも今 僕がどんなにみじめか 誰も分かってくれやしない/仕事をさがして職に就いた/そして今 僕がどんなに悲惨な状況か 誰も分かってくれない/ああどうして 貴重な時間をくれてやらなきゃならないんだ/僕が生きようが死のうが 気にもかけないやつらに」(「Heaven Knows I'm Miserable Now」)

 紙ジャケはE式ダブルジャケット+コーティング+ステッカーという仕様。内袋と日本盤帯も忠実に再現。しかし、日本盤帯に書いてある「時代が求める彼らのバランス感覚」ってコピーはすごく的外れな感じがします。
 なお、ジャケットに使用された写真について明確なクレジットがありませんが、このサイトによれば、フランスの雑誌「リベラシオン」1983年7月号から引用されたものだそうです。自分の肩にイレズミ(モチーフはジャン・コクトーによる線画)をしている青年の写真。なるほど。

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