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はてなダイアリー(Everything but Music)

 2005年11月28日(月) Dedicated to you, but you weren't listening 
 
○「1974年9月8日 日曜日 ドゥルーリィ・レイン劇場のロバート・ワイアット」
 ロバート・ワイアット復活コンサートの音源がオフィシャル発売された。転落事故により下半身不随になってから1年と3ヶ月が過ぎた時点での演奏である。
 ヒュー・ホッパー、デイヴ・スチュアート、フレッド・フリス、ジュリー・ティペッツ、ニック・メイスン、マイク・オールドフィールド、ローリー・アラン、モンゲジ・フェザといった、ワイアットの音楽を愛する人にはなじみ深い面々がバックを務めている。
このメンツの豪華さ(ある種の音楽ファンにとっての。)は、このライヴがいかに特別なものであったかを示していますね。
 このコンサートを企画したリチャード・ブランソン(ヴァージン・レコード創立者)は、ミュージシャン達に「ロバートがぜひ君にやってもらいたがっている」と声をかけ、ワイアット本人には「ミュージシャン達が君とやりたがっている」と言ってセッティングしたのだとか。さすがだなー。
 ジョン・ピールの前説に続いて登場するミュージシャン達は熱のこもった演奏を繰り広げ、ワイアット自身もブランクを感じさせない歌を聴かせる。「メモリーズ」や「シー・ソング」といった曲において「世界一悲しい声」がもたらす透明な抒情には完全に心を奪われてしまう。アンコールでモンキーズのカヴァー(「アイム・ア・ビリーヴァー」)をやっているのも良い。
 ボブ・ディランが観客に「ユダ!」と罵倒される場面を収めた音源や、ルー・リード、ニコ、ジョン・ケイルの奇跡の再会を収めたアルバムなど、以前ならば音質の悪いブートでしか入手できなかった歴史的演奏がオフィシャルCD化されるようになってきたけど、これも見事にその範疇に入る音源ですね。カンタベリー・ミュージックのファンは必聴でしょう。
 ジャケットに記載されたワイアット自身のコメントはちょっと泣けました。
「このリリースを、あなたたちがCDをかけるたびに生き返るジョン・ピール、モンゲジ・フェザとゲイリー・ウィンドに捧げたいと思います。」

 
 前々から調子の悪かったPCの電源部分がもうどうにもこうにもならなくなってきたので、修理に出すことにしました。
 というわけでその間、日記の更新を休止します。1ヶ月早いお正月休みってことで。
 またしばらくしたらお会いしましょう。ではでは。

 2005年11月26日(土) 新しい日々 
 
○つじあやの「CALENDER CALENDER」(初回限定盤)(2005)
 今週は真ん中に休日もあるので、少しはゆっくりできるだろうと思ったけどそうでもなかった。
 あいかわらずトラブルトラブルトラブル。事務所の担当者にいきなり電話で怒鳴られて気分はささくれだつしな。なんだよ、もともとあんたたちが勝手にやったことが原因で起きた問題じゃねーか。
 で、そんなときにつじあやの嬢の音楽はとりわけ心を慰めてくれるわけです。
 今回のアルバムはカレンダーアルバム。それぞれの月をテーマにした曲が12曲、全て違うプロデューサー(本人含む)で制作されている。これとかこれのつじあやの版ですね。
 彼女はすでに完成された「自分の音楽」を持っている人だと思う。(たとえば大貫妙子のように。)
 だからいろんなプロデューサーが様々な味付けをしても、あちこちいじくりまくっても、芯にはちゃんと「つじあやの」が残っている。それがとてもすがすがしい。
 しかし、だからといって各々のプロデューサーの仕事が無駄なわけではない。
 小西康陽による「春風」では、あのyoshie嬢のドラムが鳴っているのがなかなか気持ち良かったし、「愛の真夏」のジェームズ・イハはあやの嬢の原曲の良さを壊さないように大切にアレンジしている。
 「月」(ASA-CHANGプロデュース)ではダブの手法をうまく使って、はっと思うくらい新鮮な音の響きだし、横山剣による「新しい日々」には原由子の「ヨコハマ・モガ」(名盤「Miss YOKOHAMADULT」収録)を懐かしく思い出してしまった。
 でも一番好きなのは「ゆびきり」かな。ちょっと地味ではあるけれど、この淡々とした切なさとリリシズムはなにものにもかえがたい、と思うのだ。
 初回限定盤にはPVを5曲収録したDVD付き。熱演するGRAPEVINEの面々の前で、ソファに座ってウクレレ抱えながら歌う「Shiny Day」のあやの嬢がおかしい。「春風」がNHKの子ども番組風になっているのも楽しかった。でもやっぱりここでも「ゆびきり」なんだよなあ。曲の持つ情感をうまく掬いとった優れたPVだと思います。

 2005年11月23日(水) Rape me 
 
○ニルヴァーナ「スリヴァー〜ベスト・オブ・ニルヴァーナ+3」(2005)
 昨年出たボックスセットからセレクトした19曲に未発表音源3曲を加えた編集盤。ボックスがリリースされたときもかなり複雑な気分になったけれど、これまた寒々とした気分にさせるブツだ。「ベスト・オブ・ニルヴァーナ」という嘘つき邦題がまたなんとも。(原題は「The Best Of The Box」なのに。)
 でもこういうのは大昔から綿々と続く商業音楽のクリシェなんだから、腹を立てたって仕方がないとも思う。もっともっと儲けさせてもらうはずだったのに、突然死んじゃうんだからもう。契約まだ残ってんだから出させてもらうよ。こっちだって生活かかってんだ。てなとこか。
 新たに蔵出しされた音源3曲にそれほどの感激はなかった。細かく観察研究するにはいいかもしれないけど。
 「レイプ・ミー」が2テイク収録されているのが、なんかたちの悪い冗談みたいだ。
「Rape me Rape me, my friend / Rape me Rape me, again / I'm not the only one /Ahhh I'm not the only one / Ahhh I'm not the only one / Ahhh I'm not the only one / Hate me, Do it and do it again / Waste me Rape me, my friend」

 2005年11月22日(火) Let my love open the door
    
◆ピート・タウンゼントの紙ジャケラインアップ(インペリアル・レコード)
 つ、ついに…。「スクープ」シリーズが3枚とも出るのは嬉しいなー。発売は来年2月22日。

◆ビートルズの遺伝子たち:ジェフ・リン&ELO(HIGH-HOPES管理人のひとりごと)
 来年は結成35年ということで、デジリマ盤やレガシー・エディションが出るらしい。わくわく。

◆ヤング・アメリカンズ30周年記念盤(bowieNet)
 doo-bop days経由。ボウイは全てのアルバムをデラックスエディション化する気ですね。ってことは「ロウ」や「ステイション・トゥ・ステイション」もいずれ…。それまでは生きていよう。

◆ジミヘン・ボックスの豪華版!(HMV Japan)
 ああこれ買い損ねてたんだった。どうしよう。

 2005年11月20日(日) Get me away from here, I'm dying
  
◆ベル&セバスチャン、ライヴ・アルバムをダウンロード・オンリーでリリース(NME.COM)
 公式サイトでの発表はこちら
 セカンド「天使のため息(If You're Feeling Sinister)」を全曲演奏したスペシャルライヴの音源。聴きたい聴きたい聴きたい。でもチャリティってことでiTunesでのみの販売だそうだ……ちくしょー。
 今後はこういうの増えてゆくんだろーなー。iPod買って、PCのOSをXPに換えなきゃいけないかな…。


 昨日書いた「サムタイムズ・イン・ニューヨーク・シティ」の件については、中山康樹さんも怒り心頭という感じ
 あ、そういえば「ジョン・レノンを聴け!」出たんですね。本屋行ってこよう。

 2005年11月19日(土) Scumbag!
◆今後の紙ジャケCD発売リスト@2ch紙ジャケスレ
 あらためて見るとすごい数だなー。再発も多いけど。頭痛くなってきた…。



○ジョン&ヨーコ「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ」(リミックス&デジタル・リマスター)
 ジョンとヨーコが最も政治的にラディカルだった時代のアルバム。スタジオ録音の10曲を本編とし、ボーナス・ディスクとしてザッパ等との共演を収めた「LIVE JAM」を加えた2枚組として'72年にリリースされた。

 ジョン&ヨーコ名義の作品ってわけわからなそう…と思ってこのアルバムを敬遠している人は多いと思うが、実はこれほど音楽として聴きやすいアルバムはない。(「本編」の方については、という留保付きですが。)
 というのは、政治的&社会的メッセージを伝えるためにジョンがここで選んだ音楽スタイルは、明るく楽しいオールド・ロックンロールだったからだ。過激なメッセージを、('72年当時すでにノスタルジックな響きを持っていた)'50年代のロックンロールやR&Bスタイルに乗せて歌う、という方法論は一種の「発明」であったと思う。聴いてみればわかるけど、ヨーコが歌う「シスターズ・オー・シスターズ」なんて、まんまガールグループ・ソングですよ。

 しかし今回の再発盤には大きな問題がある。
 リマスターはもちろん大歓迎。新しくリミックスされたのもまあいいでしょう。「ハッピー・クリスマス」など2曲をボーナス・トラックとして加えたのも許せる範囲。収録時間の関係でセキュアCDでないのもラッキーである。
 が、「ウェル」を除いてフィルモア・イーストでのザッパとの共演テイクをばっさり切り落としてしまったのはひどい。ザッパの名曲「キング・コング」を経て、「スカンバッグ!」(「コンドーム」のことらしい)と叫ぶジョンのパフォーマンスは、笑えると同時にめちゃくちゃ格好いいのに。
 音源カットについてのオノ・ヨーコの公式コメントは以下の通り。  
 このフィルモアでの演奏は、この後に延々と続いたフランクと私によるアヴァンギャルドなインプロヴィゼーションに入る手前で終わらせるべきだと私は判断したの。アルバムの最後はジョンの声で終わらせたかったから。彼の少年時代が私たちにまで届くようにね。
 もしこの“フリーク・アウト”の部分がなくなって寂しく思うのなら、今世界中に存在する多くの戦場にマイクを向けてみるといいわ。そこからすべてのものが聞こえてくるから。子供たちの泣き声も、男たちの叫び声も、死によってもたらされる時おりの静寂も。
 いかにもヨーコさんらしい発言だけど、納得はできないな。日本盤ブックレットに掲載されたインタビューでは「ジョンがここにいたらやっぱり同じことをしたと思うの」とも言っていたが、なんでもかんでもそうやって正当化するのはやめた方がいいと思いますよ。

 というわけで、音質は劣っても、完全収録だった旧版2枚組CDは手放しちゃいけません。
 あ、それから「プレイグラウンド・サイコティクス」(↓)というザッパのアルバムにも、このときのジョン&ヨーコとのパフォーマンスは収録されています。編集やミックスはかなり違いますが。ご参考まで。
  

 2005年11月17日(木) Whatever gets you thru the night
◆「明日なき暴走」30周年記念盤は12月21日発売(HIGH-HOPES 管理人のひとりごと)
 輸入盤はもう出てるみたいだけど、DVDにはやっぱ日本語字幕が欲しいので日本盤を待とう。
 それにしても12/21発売は欲しいもの大杉。「明日なき暴走」以外にもジャニス紙ジャケボックスポップ・グループ紙ジャケ、そして佐野元春紙ジャケ…ああ金が…。


 
○ジョン・レノン「心の壁、愛の橋」(リミックス&デジタル・リマスター)
 はあ。またセキュアCDだよ。仕方ないから買ったけど。
 '74年リリース。いわゆる「失われた週末」期のアルバム。オノ・ヨーコにダコタ・ハウスを追い出され、アルコールとドラッグ、友人達との果てしない乱痴気騒ぎを経て作られたにしては非常に緻密に作られている。オーヴァー・プロデュースだと嫌う人がいるくらいに。
 まあでもこのアルバムのリハーサルテイクを収めた「メンローヴ・アヴェニュー」を聴くと、そうとうダウナーな感じだったのがひしひしと伝わってくるので、あれをここまでのレベルに持ってきたジョンの自己プロデュース能力っていうのはかなり凄いと思うのであった。
 リマスター効果はかなり高い。リミックスの方はそれほどオリジナルとかけ離れてはいなかったけれど、時々今まで意識したことのない音が浮かび上がってきたりして少々違和感もある。ボーナストラックの「Nobody Loves You」アコギVer.はけっこう泣けた。
「ひどく落ち込んでいるとき 誰も君を愛してはくれない/最高の気分のとき 誰も君を見てくれない/誰もが金のためにあくせくしているとき 僕は君の背中を掻くから 君は僕の背中を掻いてくれ」

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