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 2003年2月28日(金) "They tatooed a number on our arm"
 所用があったので出勤は午後から。出勤時にスティーヴ・ライヒ「DIFFERENT TRAINS / ELECTRIC COUNTERPOINT」を聴く。「テクノデリック」のおかげでミニマル・ミュージックが聴きたくなったのだ。すみません単純で。
 「DIFFERENT TRAINS」がどういう意図の元に作られた曲であるかについてはリンク先のカスタマーレビューを読んでもらうといいと思う。挿入される断片的なモノローグが胸に響いてくる曲だ。
 「ELECTRIC COUNTERPOINT」の方では、パット・メセニーが透明な音色のギター・フレーズを複雑に重ね合わせる。まるでさざなみのように。美しい。
 帰りはストーンズ「ゲット・ヤー・ヤ・ヤズ・アウト!」
 「ミッドナイト・ランブラー」の途中で聞こえる「カッチョイイ!」という観客の声(いやほんとにこう聞こえるのだ)の主は、伝説的バンド「村八分」のヴォーカリスト、チャー坊であるという説があったんだけど、このページによるとそれはマチガイだったみたいすね。

 「MOON PAGE」主宰かっちゃん氏のご好意により、2月15日大泉学園 inFでの菊地成孔&南博デュオ音源を聴くことができた。よく知られたスタンダード・ナンバー中心の演奏。オーディエンス録音としては最上のクオリティで菊地氏のサックスを堪能することができた。特に「オーヴァー・ザ・レインボウ」はかなり原曲を解体した演奏になっていて興味深い。
 ただ、失礼を承知の上でいうならば、菊地氏と客との間に存在する狎れあいじみた雰囲気はちょっと苦手。なんかぬるすぎるなあ、と思ってしまうのです。ファンの方々にはこれがきっと心地よいんでしょうけれども。

 2003年2月27日(木) 腕を胸の前に上げて ケイレンの運動
 YMO「テクノデリック」を聴きながら出勤。サンプル&ミニマル。
 「壁ぎわの影の中 階段はどこまでも続いている/鉄なのかも知れない 石なのかも知れない それとも紙なのかも知れない/降りてゆくのか 昇ってゆくのか解らない/階段はどこまでも続いている」(「階段」)
 職場でわけのわかんない講義みたいの聴かされたよ。1時間半も。ただ自分がやってきた仕事のこと言ってるだけじゃねえかよ。理論的な説明はなにもなし。暴力的なまでに眠気を誘われた。
 今日も帰りはカヒミ・カリィ
 「あなたの血は黒いに違いない/違いない 黒い血/私は そう思って泣いた/けれど それはただの血/今は私は知っている/すべての血は赤いという事を/血は赤い あたり前の事/でも 私はその”あたり前の事”を知っていつも泣く」(「Trapéziste」
 「トラペジスト」ってのは空中ブランコ乗りのことらしいね。
 家の近くの「BOOK MARKET」に寄ったら、中古CDのコーナーに「KYON3」が積んであった。2480円なり。買いましたよもちろん。3枚組だもん、安いよ。ディスク3の「怪盗ルビィ」大瀧詠一デュエット・ヴァージョンが最大の購入動機。
 そのほかにも坂本龍一「UF」「CM/TV」の中古美品を発見、これも入手。やっとベスト3種そろいました。めでたしめでたし。

 2003年2月26日(水) RIOT in CHOCOLATE LOGOS
 出勤時にスパンク・ハッピー「COMPUTER HOUSE OF MODE」
 「この退屈な男は もうお金がないわ/優しいだけじゃダメだわ  あなたを買いに行かなきゃカルヴァン/でも この人が好きなの 悪いのはアタシだわ/アタシ生まれ変わったら 絶対貴族になるのクリスチャン クリスチャン・D」(「ジャンニ・ヴェルサーチ暗殺」)
 帰りはカヒミ・カリィ「Trapèziste」
 「ねぇ お金持ちのおじいちゃん いないかな/億万長者で しかもガンだったりしたら もっといいな/看護婦さんゴッコしちゃったりなんかして/私のかわいい大きな赤ちゃん/もう!また注射しちゃうわよ!なんて言っちゃったりしてね」(「Je veux un vieux」)
 ちょっとすさんでます、ええ。いや歌じゃなくて僕が。 

 2003年2月25日(火) Tornade
 YMO「BGM」を聴きながら出勤。
 「手がかりをくれ/君をみつけたような気がするんだ/手がかりをくれ/僕のまわりには糸口がたくさんある/音楽の響き 空の叫び」(「キュー」)
 上司とともに、とある業界誌の取材を受ける。ヘタレのくせになんかエラソーにしゃべってしまいました。
 帰りはローラ・ニーロ「ライヴ/ルームズ・ディザイア」の94年演奏。
 「天使よ 私の歌を聴いて/夜はとても長いのだから 私のもとに戻ってきて/どうすればいいのかわからない どこへゆけばいいのかわからない/でもきっと夢を見て 自分の足でまた歩き出す/天使がいなければ もう笑うこともできないのだから」(「エンジェル・イン・ザ・ダーク」) 

 カヒミ・カリイ「トラペジスト」を聴いた。
 天上天我唯我独尊。唯一無二のカヒミ・ワールド。アヴァンギャルドの衣装をまといながらも、あくまでポップなたたずまい。前衛の淵に沈んでも息継ぎのためにまた浮かび上がってくる。
 菊地成孔が参加したタイトル曲では、オルガンがいかにもDCPRGぽく鳴っていました。
 6曲目「Lexie」はもろマイルス「So What」。こちらも菊地参加。かっこいいソロかましてます。南博のピアノもグッド。
 それから7曲目「Sleep」。ザッパのコラージュ手法を元ネタにした曲は初めて聴いた。ははは。  

 2003年2月24日(月) Grand Espoir
 あー、仕事に行くのがおっくうでたまらないよ。
 とはいえ休むわけにも行かず、高橋幸宏「ニウロマンティック」を聴きながら出勤。
 「彼女がいつものように現われた/そしてとてつもない予言を僕に告げる/それを全部忘れてしまおうと思う/でも僕は彼女がいなければ何も出来ない」(「大いなる希望」)
 やる気のなさを露呈しつつようよう仕事を終えて、帰りにXTC「FOSSIL FUEL」ディスク1後半。
 「僕の五感は働きすぎだ 違いを理解しようとして/レモンとライム 苦痛と快楽/そして教会の鐘がやさしく鳴るのを」(「センシズ・ワーキング・オーヴァータイム」)

 PCで作業をしつつ、「マイケルジャクソンの真実」を見た。あの話題のTVドキュメンタリー。
 マイケルの「裸の王様ぶり」をさらけだした(もしくはさらけだそうとした)番組だった。
 たぶん彼は失われた子供時代を取り戻そうとしているだけなのだろうと思う。自分の稼いだ金を使って、誰にも邪魔されないで。常人とはかけはなれた方法で。
 それにしてもあまりに彼は無防備すぎる。今回の番組に関し「裏切られた」と言っているらしいが、あんな取材を受けておいて、どんな番組になるか想像できなかったのだろうか?
 夢をかなえることが人をだめにしてしまうこともあるんだよね。つくづく思い知りました。

 2003年2月23日(日) ハリポタ。
 遅ればせながら、妻と一緒に「ハリー・ポッターと秘密の部屋」を観てきました。
 今回もなかなか楽しくて、2時間40分があっという間。ウェルメイドの美点を堪能しました。ただそれだけに見終わったあと、頭に残りにくいという難点はありますが。
 今回やっとわかったんだけど、このシリーズって基本的に学園ミステリーなんですね。謎はタイトルで示され、ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人は探偵役。で、校長先生は明智小五郎(©妻)であると。
 それはそうと、最後の最後に出てくるケネス・ブラナーの小ネタはけっこう気が利いてると思いました。見逃した方はお気の毒様です。
 
 CDショップで椎名林檎のニュー・アルバムを手に取ってみたけど、やっぱりCCCDだったので買わず。
 新譜がすべてCCCDになってくれれば、もうなにも買わなくても済むね。そしたら流行や宣伝に惑わされず本当に自分の好きな音楽だけを聴いて暮らすことができる。ある意味、理想の音楽生活かも。

 2003年2月22日(土) Here we all sit and wait in Limbo
 YMO紙ジャケ「SERVICE」を聴いた。
 おまけ的作品集として軽視されがちなアルバムだが、収録曲はどれも一定のクオリティを保っている。いい意味で肩の力が抜けているというか。まあ小粒といわれればそのとおりではあるのだけれども。
 曲間にはさまれているスーパー・エキセントリック・シアターのコントは、スネークマン・ショーに比べてなにかと評判が悪い。でも僕はけっこう好きだ。落盤ネタでのYMO三人それぞれの演技は今でも笑えるんですけど。細野氏のとぼけた演技は特に。
 ブックレットに収録された高橋幸宏インタビューにも「ウッチャンナンチャンがこのアルバムにめちゃくちゃ笑った」という話が出てくるし、当時はそれなりにウケてたんじゃないすかね。
 そういえば大学のサークルでスキーにいったときに、行き帰りのバスの中でこのアルバムをえんえんリピートさせていた先輩がいたなあ、なんてことを思い出しました。

 今日、妻は上妻宏光という津軽三味線奏者(「雪見だいふく」のCMに出てる人ですね)のコンサートに行ったのだが、まるでロック・コンサートみたいだったとのこと。エレクトリックで音圧ばりばり、ファンの女の子きゃあきゃあらしいです。
 なにぶん田舎のこととて「津軽三味線だってよ、おじいちゃん。いきましょうよ」と誘われて観にきたとおぼしきご老人もいたらしいのだが、だいじょうぶだったのでしょうか。妻によれば途中で帰ってしまったオジサンはいたそうですが。

 2003年2月21日(金) Don't Rain on My Parade
 高橋幸宏「サラヴァ!」を聴きながら出勤。78年リリースのファースト・ソロ。共同プロデュースが坂本龍一で、細野晴臣もベースで参加している。「ロマン神経症」でも「ボク、大丈夫?」でもない時代のユキヒロ。あんまり気持ちよすぎて仕事行く気なくします。
 帰りはジャパン「果てしなき反抗」。アート志向が強まった後期よりも、チープネスといかがわしさがたっぷりと詰まったこのファースト・アルバムの方が好きだ。
 「生きるななんていわないで ただぶらぶらしてるだけなんだから/人生はキャンディさ そして太陽はバターのかたまり/雲なんかつれてこないで/パレードに雨を降らさないで」(「パレードに雨を降らさないで」)
 
 「モーニング娘。のひょっこりひょうたん島」を聴いた。まったく期待していなかったけど、けっこういいやんか。いかにも「みんなのうた」的すぎるというご批判はありましょうが。
 c/w「宝石箱」は「First Time」にでも収録されてそうな感じ。地味目だけど好きです。

 2003年2月20日(木) Steppin' out
 ビートルズ・アンソロジーDVD、詳細情報出ました。5枚組15,000円(税抜)だってさ。LDなんて全部で40,000円もしたのにな(泣)。で、未発表映像を81分プラスしたうえに、DTS 5.1ch、ドルビー、PCMステレオの3種類の音声収録だってよ。ううどうしよう。
 こちらのニュースによれば、「エド・サリヴァン・ショー」での全パフォーマンスを収録したDVDも発売されるらしい。
 番組まるごと収録ならば欲しい。日本盤はでないのかな?

 やっと出勤。高橋幸宏「WILD AND MOODY」('84)を聴きながら。
 2曲目「STRANGER THINGS HAVE HAPPENED」はプリンス「ビートに抱かれて(WHEN DOVES CRY)」にそっくり。作詞家としてこのアルバムに関わったピーター・バラカン氏もたしかラジオかなんかで「やめとけって言ったんだけどね…」と嘆いておられました。
 仕事を終えたあと、MAPに寄る。カヒミ・カリィ新作「トラペジスト」ムーンライダース紙ジャケ「ANIMAL INDEX」「THE WORST OF MOONRIDERS」YMO紙ジャケ「SERVICE」、そしてモー娘。ニューシングル「ひょっこりひょうたん島」を買う。
 ジョー・ジャクソン「ライヴ1980-1984」ディスク2を聴きながら帰宅。
 「ぼくたちは若い でも自分たちの時代が来るまえに年老いてしまいそうだ/TVとラジオなんか放り出そう/何がみつかるかわからないけど/今夜飛び出そう 夜の中へ」(「ステッピン・アウト」)

 2003年2月19日(水) I'm only sleeping
 今日も引き続き体調が悪いので仕事を休む。ひたすら休息。
 古楽ボックス「ルネサンスへの旅」ディスク1をベッドの中で聴く。
 このボックスに含まれる5枚のディスクはジャンルごとに分類されている。ディスク1は「ルネサンスのミサ曲」。
 15世紀〜16世紀に作られた教会ミサ曲が収録されている。複数の声の混ざり具合が美しく、聴いていて気持ちがいい。でも聴き続けているうちにどれがどの曲なのかわからなくなってくるのであった。

 2003年2月18日(火) Nothing is Nothing
 ロッキン・オン社の雑誌「BUZZ」が休刊。(情報元「エスロピU」)ステートメントには「再始動のための休刊」と書いてあるんだけれども、ほんとのところはどうなんだろ。
 「BUZZ」てのはもともとRO本誌で編集長をやってた増井修氏が立ち上げた雑誌だった。ところがその直後に例の増井編集長解雇→裁判という事件があって、いきなり迷走を余儀なくされることとなった。
 邦楽ロックを扱う「RO JAPAN」、映画中心の「CUT」、サブカル中心の「H」と、ターゲットを明確にした雑誌を次々と創刊してきたROとしてはめずらしく中途半端な雑誌で、RO本誌との差異がわかりにくかった。だから当時ROの雑誌ならなんでも買ってた僕ですらどうにも食指が動かなかった。
 「BUZZ」を立ち上げた増井氏にはきっと明確なヴィジョンがあったのだろうが、すぐに姿を消してしまったためにそのヴィジョンは僕には伝わらなかった。きっと編集スタッフにしてもそうだったんじゃないかなあ。今回の休刊は、「負の遺産」を背負って進み続けた迷走の果てという気がする。
 しかし、今回の休刊を聞いて増井氏は一体どう思うんだろう。

 体調が悪いので仕事を休む。一日家で休息してました。なにも聴きませんでした まる。

 2003年2月17日(月) The Sound of Crying
 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの新作「ザ・ラストDJ」の日本盤ライナーノーツをめぐってファンが抗議行動を起こしていたとのこと。あの「ロード・オブ・ザ・リング」字幕抗議事件を思わせる話だな。
 しかしこの抗議文を読んでみて、彼らは要するに「このライナーノーツは不愉快だ」と言っているだけに思えた。
 事実誤認についても指摘してはいるけれど、それは根本にある「不快感」を理屈として補強するために付け加えただけのように感じてしまったのだ。だから「ロード・オブ・ザ・リング」問題とはかなりレベルが違う話のような気がする。
 それにしても彼らは自分の耳に心地よい文章だけを読みたいんですかね?
 しかしライナーノーツの原文読んでみたら、ほんとに箸にも棒にもかからないシロモノだった、てなことになると、俺、赤恥かくな。ははは。

 電車で出勤。プリファブ・スプラウト「38カラット・コレクション」を聴きながら。
 「ねえ 急ぎすぎているのならごめんよ/今夜はこれがずっと続くふりをしていたいんだ/僕と同じ夢を君も見たいと思うはず/ああ 過去のことばかり考えていてごめんよ/僕は何も言わない方がいいんだろう/でも君に恋してると思っている友だちがいるんだ」(「ライオンズ・イン・マイ・オウン・ガーデン」)
 夜、担当飲み会。いつぞや行ったメキシコ料理屋にて。
 矢継ぎ早に出される料理をあわてて食べ、コロナ・ビールを数本飲んだあと、僕はなにもすることがなくなった。
 体調が悪いせいか、誰の話にも興味が持てないので会話に加わる気にもなれない。
 ただぼんやりと店内のTVモニターに映るカントリー・ミュージシャンをながめていた。ウィリー・ネルソンやドリー・パートン、ガース・ブルックスにトリーシャ・イヤウッド。しばらくして突然カントリー番組は終わり、晩年のチェット・ベイカーがドラッグでぼろぼろになった身体をさらしながらトランペットを吹く映像に変わった。そしてそれもまたすぐに途切れた。
 耐えきれなくなったのでリタイアさせてもらって電車で帰る。
 「38カラット・コレクション」の続きを聴いた。
 「僕たちはできることをしているだけにすぎない/ときどき神様には計画があるのだと思うときもあるけれど ただ調子はずれでよそよそしい音を出しながら即興演奏をしているだけのようにも思える/またひとり親のない赤ん坊が立ち上がろうとして転ぶ/また別の不愉快な音がする/ふたたび嘆きの声が世界中でナンバー・ワンになる」(「ザ・サウンド・オブ・クライング」)

 2003年2月16日(日) Church of The Poison Mind
 ここ数ヶ月間(いやそもそもの始まりから考えると2年か)さんざん僕を悩ませてきたトラブルが、やっと今日解決した。それもとてもあっけなく。最悪のケースを想定して脳内シミュレーションを繰り返してきたのにな。まあいいや。正直まだ実感はない。だけどかなり気が楽になった。
 夕方、妻と川へ。今週も帰りに新星堂に寄る。クラシック・コーナーでみつけた古楽の5枚組CDボックス「ルネサンスへの旅」を入手。(妻がプレゼントしてくれた。)
 その他に80年代洋楽のコンピ「The 80's」のパート2も購入。さらに15%OFFワゴンの中にあった山下達郎リマスター盤「サーカス・タウン」「フォー・ユー」も。
 家に帰って「The 80's」パート2を聴く。今回もなかなかの選曲。ビッグ・カントリー「インナ・ビッグ・カントリー」、ポール・ハードキャッスル「19」、トニー・バジル「ミッキー」、トーマス・ドルビー「彼女はサイエンス」、ハワード・ジョーンズ「ホワット・イズ・ラヴ?」といったところに激しく反応。で、スティクス「ミスター・ロボット」に激しく笑う。
 この東芝EMIのシリーズは1曲ごとの解説がなかなか読ませるし、歌詞も対訳もついてるしで、きちんとした作りだ。ソニーとかからも同工異曲のコンピが出てるけど、そっちはどうなんでしょうね。

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