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はてなダイアリー(Everything but Music)


 2003年10月31日(金) Beat the reaper 
◆プロセス、なわばり、印税 −メジャー系CD作成に関わるプロセスとアクターと縄張りと印税の推測図
 (from OTO-NETA
 わかりやすくてよいなあ。アレンジャーへの印税がないこと、プロデューサーには固定契約と印税契約があることなど勉強になります。「参考にしたページ」リンク先テキストもどれも読み応えあり。
 
 仕事の行き帰りにザッパ「シヴィライゼーション/文明 第三期」('94)。ザッパの遺作。
 リリースされたのは彼の死後だが、録音自体は「イエロー・シャーク」と並行しておこなわれていたようだ。シンクラヴィアとアンサンブル・モデルンの演奏を併用している。ライナーノーツによれば「無言歌劇」(opera-pantomime)らしい。グランドピアノの中に住む人々の会話と音楽が交互に出現する。ザッパの目指した音楽の最終型がこれだったのだろうか。
 ちなみにこのアルバムはグラミーを受賞している。パッケージ・デザイン部門でだけど。

 2003年10月30日(木) Dog breath variations 
 マルコム・マクラーレンとヴィヴィアン・ウェストウッドが経営し、かのセックス・ピストルズ誕生の舞台となったブティック「SEX」のジュークボックスに入っていた曲を元にした編集盤CDというのが発売されているそうな。
 カウント・ファイヴとかトロッグスとかスクリーミング・ジェイ・ホーキンスとか、なかなかカッコ良さげな選曲でちょっと聴いてみたい。amazon.co.jpでも買えるようです。(ただし3週間〜5週間以内発送)
(情報元: 脳外海馬 middleage kicks!

 仕事の行き帰りにザッパ「イエロー・シャーク」('93)。ドイツの現代音楽室内楽団アンサンブル・モデルンがザッパの曲を演奏したアルバム。
 リリースされた当時衝撃だったのは、ジャケットでの老人のようなザッパの姿だった。88年の「ブロードウェイ・ザ・ハードウェイ」からのあまりの変わりように驚いた。癌が進行したせいでこんなになってしまったのだろう。このアルバムのリリース直後の1993年12月14日、ザッパは死去する。享年52歳。

 2003年10月27日(月)〜29日(水) Pillows&Prayers 
 プロジェクトマネージメント関係のカンファレンスに出席するため東京へ出張。ひとりなので気楽なもんだ。
 27日の夜は大学のサークル時代の仲間と飲んだ。僕のひとつ上の学年のひとたちを中心に10人ほどが集まってくれた。十数年ぶりに会った人もいて、なんかいろんなことがフラッシュバックしました。みんな根っこのところは変わっていないようで少しほっとしたり。2次会の後に数人でカラオケに行って歌い踊り(踊ってたのは僕だけでしたが)、ホテルに戻ったのは午前3時過ぎ。

 28日の夜は先輩K氏と会って食事。赤坂で高級中華をごちそうになる。K氏とはしょっちゅうメールをやりとりしているので、久しぶりに会ったというより日常の延長的なさりげなさ。
 食事はあいかわらずたいそうおいしかったけれど、昔に比べると量を食べられなくなりましたね。とろけるような豚の角煮を食べたら「満腹。もう食えん」という状況になってしまった。

 29日はカンファレンスが正午に終了したので、4月から東京に単身赴任している同期のO氏と待ち合わせて食事&お茶。お互いの近況を聞いたり話したり。どこもいろいろとたいへんだねえ…。

 そのあとは例のごとくお茶の水ユニオンに寄る。アフィニティリンダ・ホイルの紙ジャケ再発(ユニオン特典付き)「ピロウズ&プレイヤーズ」、それから安めの中古紙ジャケなどをちょこちょこと買いました。
 そういや店頭にザ・フー「トミー」デラックス・エディションが発売中止って書いてあった…ちょっとショック。単なる延期ならいいんだけど。

 2003年10月26日(日) Magic Garden 
 鈴木さえ子、松尾清憲のライヴにゲスト出演したんですね。健在のようで安心しました。
かたるさん@A Scanner Darkly 10/25風街まろんさん@さらしあげな日記10/25にレポが。)

 猫を動物病院につれていった以外は、家でごろごろと過ごす。
 フィフス・ディメンション「マジック・ガーデン」を聴いた。
 ジム・ウェッブが全面的に関わった68年のトータル・アルバム。夢の中を直進するようなサウンドと歌声にひたすら没入。ゾンビーズ「オデッセイ&オラクル」を激しく連想した。フラワーでマジカルな感じが似てる。

 明日から三日ほど出張で不在にします。次の更新はたぶん30日になる予定。しばらくお待ち下さい。

 2003年10月25日(土) I want you back 
 ベルセバ、年明けに来日するんだってね…。名古屋にも来てくれるらしい。観たいような観たくないような…どうしようか。

 今週も妻と図書館へ。「大ザッパ論2」、読了できなかったので借り直し。
 それから「小心者の杖日記」(10/22)で知った「隠蔽された障害 マンガ家・山田花子と非言語性LD」(石川元)という本も検索かけたらあったので借りた。出版後に山田花子の遺族から訴えられて絶版になったという本。
 「自殺直前日記」を読んでいるのでいちおう。
 外出中に聴いたのはジャクソン5「The Ultimate Collection」ビートルズ「1」
 ジャクソン5のベストは、「I Want You Back」→「ABC」→「The Love You Save」→「I'll Be There」という冒頭の4曲の流れがサイコーで、それだけでもう完全に満足する。単純にデビュー・シングルから発売順に並べただけなんだけど。

 2003年10月24日(金) My guitar wants to kill your mama 
 ADSL不調のおかげでここ数日、サイト巡回ができないでいたのだけれど、その間に音楽テキスト&ニュースサイト界隈ではCCCD問題をめぐる活発な動きがあった模様。(CCCDに関する感情論@ミュージックマシーン音楽配信メモ etc...)
 CCCDといえば「レット・イット・ビー・ネイキッド」国内盤の発売が早まったとか。
 カフェブリュさんがおっしゃるとおり「バカじゃないの?」ですね。それにしてもUS盤のみならず本家UK盤も非CCCDらしいじゃねえか。CCCDは日本だけかよおい。

 仕事の行き帰りに「ストリクトリー・コマーシャル〜ベスト・オブ・フランク・ザッパ」
 今日聴いたのは紙ジャケ盤のほう。アメリカで限定発売されたアナログを再現した2枚組21曲収録ヴァージョンで、限定ナンバー入り、カラー・インサート&オリジナル帯付き。このベストアルバムは各国で収録曲が微妙に違うのでマニア泣かせですね。
 「おまえの親父やおふくろが言うには 俺はおまえに不似合いなんだと/道にまで出てきて 俺のことを不潔だ何だと言うんだぜ 俺がほとほとまいっちまうまで/おまえの家の裏口へ こそこそ行くのはもううんざり/ゴミを掻き分けようやく顔を出すと/おまえのおふくろが飛び出してきて喚きやがった 『二度と来るんじゃないよ!』/もう我慢できない/俺のギターはおまえのおふくろ殺したがってる/俺のギターはおまえの親父燃やしたがってる」(「マイ・ギター」 茂木健 訳)

 玩浴(がんよく)。フィギュア入り入浴剤だって。脱力。もうなんでもありだな。
 でも「昭和おもひで歌謡」はそそるね。「喝采」に「フランシーヌの場合」に「真夜中のギター」…オヤジにはたまらんラインナップ。

 2003年10月23日(木) Broadway The Hard Way 
 ADSL、ヤフーが送ってきた新しいトリオモデムに交換したら見事に復旧。なんだモデムがイカれてたのかー。でも8ヶ月でイカれるなんて早くないか。

 出勤時にザッパ「ブロードウェイ・ザ・ハード・ウェイ」。最後のツアー('88)のライヴ。
 このツアーはアメリカ大統領選にあわせておこなわれた。そして当然のごとく政治的なメッセージを持った曲が多く演奏されることとなった。このツアーのために用意された新曲に既成の音楽スタイルを借用した曲調のものが多いのも、その「政治的コトバ」を際だたせるためであったのだろう。
 ゲストとしてスティングが登場する。彼がポリス時代に書いた曲がTV伝道師のジミー・スワガートによって「悪魔によって書かれ、悪魔の息子によって演奏された曲だ」と非難されたというエピソードを語り、スティングはこう言う。
 「このファッキンな曲は俺が書いたんだ」。
 そしてザッパ・バンドをバックにその曲「マーダー・バイ・ナンバーズ」を歌う。
 「ひとたび殺しをやろうと決めたならば/まず最初におまえの心を石にしてしまうんだ/それでもおまえの手が疼いているようなら/おまえは殺人を芸術にすることができる/血を見る必要なんて本当にないんだ/優雅に殺してしまえるんだよ」(茂木健 訳)
 帰りはDCPRG「MUSICAL FROM CHAOS」ディスク1。「キャッチ22」絨毯爆撃。
 
 そういえば、僕の住んでいる地域でもやっと「タイムスリップグリコ 青春のメロディーチョコレート」が発売されたのでさっそく買ってみた。
 いやあ評判通りよくできてるわ。シングルのジャケットとその裏に印刷された歌詞カードや盤面はもちろん、レコード袋まで忠実に復刻してあるのが素晴らしい。丁寧な解説がついてるのもいい。そのうえきちんと音が聞けるんだから…たまらんですね。
 僕が入手したのは石川ひとみ「まちぶせ」、井上尭之バンド「傷だらけの天使」、山下久美子「赤道小町ドキッ」、松崎しげる「愛のメモリー」、ザ・タイガース「花の首飾り」。タイガースはシークレット・ヴァージョンの方でした。

 2003年10月22日(水) Does humor belong in music ? 
 ADSL相変わらず全くつながらず。サイト定期巡回もろくにできません。うう。
 仕事の行き帰りにザッパ「ダズ・ユーモア・ビロング・イン・ミュージック?」。84年ツアーのライヴ。
 このアルバムは衝撃的だった。オープニングの「ズート・アリュアーズ」の硬質な響きに震えが走った。過去の名曲はどれもシェイプアップ&テンポアップされて生まれ変わっている。マイルスが「フォア&モア」で超高速パンキッシュ「ソー・ホワット」をやったのに似てる。
 ラストのオールマン・ブラザーズ・カヴァー「ウィッピン・ポスト」では息子ドゥイージル君が登場してザッパとギターバトルを繰り広げる。こういうとこ見るとザッパもアメリカ人的親バカだったんだなあと思ってしまうのだが。
 「もしあんたが億万長者だったら 共和党だって悪くないだろうよ/着ているもの以外何も持っていないんだったら 民主党だってけっこうなもんだろう/でもな どっちの党も正しくないんだぜ/だって どっちもホットプレートの天国なんか 気にも止めやしないんだから/グリーン・ホテル(=芝生の上)暮らしをしたことがないんだから」(「ホット・プレイト・ヘヴン・アット・ザ・グリーン・ホテル」 茂木健 訳)

 2003年10月21日(火) Systems of Edges 
 なんだか「レコードファン感謝祭2003」とか「廃盤CD大ディスカウントフェア」とかいった検索ワードで来られる方が多いですね。あなたのお求めのページはこちらです。
 
 ザッパ「ギター」('88)ディスク2を聴きながら出勤。
 この頃は、国内盤に続き輸入盤についてもLPからCDにフォーマットが移行してゆく端境期で、ほぼ同時にLPとCDがリリースされた。前者は2枚組で19曲入り、後者も2枚組で32曲入り。この違いは大きかった。
 最初にアナログを入手してからCDの曲数が多いことを知って愕然とし、先輩にアナログを買い取ってもらってCDに買い替えた記憶がある。(平気で両方買える金銭的余裕がなかったんすよ。)
 しかしアナログは名演「イースターのすいか」で終わっているのに、CDはその後に3曲も収録されている。蛇足というべきでしょう。感動が薄れてしまうよ。
 帰りはキャメル「ライヴ・ファンタジア」のディスク1。リチャード・シンクレアの歌声に心癒される。

 2003年10月20日(月) When no one was no one 
 自宅ADSL、またまたつながらなくなって困っております。なんとかしてよヤフー。

 仕事の行き帰りにザッパ「ギター」ディスク1。「黙ってギターを弾いてくれ」の続編的ギター・ソロ集。「黙ギタ」に比べてさらにハードコア。
 ジャケ裏に記されたザッパの言葉。 「このアルバムは子供と共和党支持者にはお奨めできない。
 夕食のあと、「大ザッパ論2」の続きを読み始めるも睡魔に襲われダウン。まずい。 

 2003年10月19日(日) We're only in it for the money
 ザッパ&マザーズ「俺たちは金だけのためにやってる」を聴きながら、図書館で借りた「大ザッパ論2」(大山甲日著)を読む。「1」の方は発売時に買ったんだけど、「2」の方は買い損ねていた。
 60年代〜70年代の節目となるアルバムをピックアップしながら、ザッパの音楽・歩み・もくろみ・時代背景を語り尽くそうとする試み。本文だけで600ページもある。しかも2段組でぎっしり活字が詰まっている。
 ひとつのことからいろいろな連想が働いて話が展開してゆくその濃さ、情報の豊かさ、いささか牽強付会に思えてしまう時もある独自の論理展開、そして奇妙な駄洒落・言葉遊びまで、ザッパの音楽と同様に、うっかり入りこんだら出てこられなくなる迷宮のような本だ。
 僕のような半可通ザッパマニアのような人間にはとてつもなく興味深い内容なんだけど、こういう本が結果的にザッパを一般の音楽ファンから遠ざけてしまっているような気がしないでもない。まあそれは大山氏の罪ではないと思うんだけど。
 それはそれとして今日はけっこう時間があったはずなのに150ページも読めませんでした。返却日までに読了できるのだろうか…。

 2003年10月18日(土) Cum on feel the noize
◆『<パクリ>をめぐる論考』 〜1980年代以降の日本のポピュラー・ミュージックにおける<パクリ>の研究
 とりあえずブックマーク。まだ読んでないんだけど、パクリについての駄文を書いた身としては目を通しておくべきかと。

 川、花、図書館。職場では休日を利用して機器搬入工事が行われており、立会のためにうちのチームメンバーが出勤しているので、差し入れを持って顔を出す。特に問題なく進行している様子で安心する。
 夜、寝る前にライノ80年代ボックス「Like, Omigod」ディスク4。
 グレッグ・キーン・バンド、ロマンティックス、ネイキッド・アイズ、フィックス、クワイエット・ライオットというあたりが琴線に触れる。ロマンティックスなんて当時かなりバカにしてたんだけど、今聴くと素直にいいね。 

 2003年10月17日(金) Long distance runaround
 出勤時にザッパ「ジャズ・フロム・ヘル」('86)。1曲を除きすべてシンクラヴィアによる作品。
 この頃、ザッパは生身の人間が演奏するロック・ミュージックに関する興味を失いつつあったように思える。
 ちなみにこの作品は、グラミー賞の「ベスト・ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス」に選ばれている。権威嫌いのザッパにはちょっとそぐわないような気もするけれど。
 帰りはイエス「こわれもの」。一番最初に好きになったロック・レコードのひとつ。
 おのおの個性的なプレイを展開するメンバー達の演奏が有機的に絡まりうねる上に、ジョン・アンダーソンのハイ・トーン・ヴォーカルがかぶさる。今聴いてもスリリングだ。
 「冷たい夏 耳を傾ける/強烈な色 怒りは溶け石に変わる/僕はいまも憶えている 夢がそこにあったことを/僕はいまも憶えている 君がさよならを言ったときのことを/僕たちはほんとうに嘘を言ったのだろうか?/僕たちはほんとうに 百まで数えたのだろうか?」(「遙かなる想い出」)

 2003年10月16日(木) On the silent wings of freedom
◆Grateful Dead 究極の2枚組DVD! (HMV Japan)
 厖大な数のライヴ盤も含めデッドのアイテム全部買ってる人ってどれくらいいるんだろう。
 僕?オリジナル・アルバムすら全部聴いてないよ…。

 ザッパ「ミーツ・ザ・マザーズ・オブ・プリヴェンション」('85)を聴きながら出勤。
 USヴァージョンとヨーロピアン・ヴァージョンで曲目が違っていたのだが、CDでは両方の曲すべてが収録されている。バンド演奏とシンクラヴィア演奏が半々の構成。
 「ポルノ・ウォーズ」ではザッパも意見陳述人として出席した公聴会の模様がサンプリングされている。
 これは「ロック・ミュージックの猥褻な歌詞が青少年に悪影響を与えているから(「R指定」みたいな)ラベリングをしなければ!」という動きに対して開かれたもの。ラベリングを強力におしすすめようとしていたのはPMRCという団体(ゴア元副大統領夫人ティッパー・ゴアが中心メンバー)。
 ザッパはこれに反対する意見陳述をするが、結局、業界の自主規制という形でこのラベリングは実施されてしまうことに。こういうマークが輸入盤によく付いてますよね。これがそれです。意味は「過激な表現が含まれているので親は子供に注意を与えること」。自由の国アメリカ。
 帰りはイエス「トーマト」。個人的偏愛アルバム。ヒプノシスがデザインしたジャケも好き。誰かきちんと再評価して。
 家に帰ったらADSLが復旧していた。やれやれ。

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