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はてなダイアリー(Everything but Music)

  
2006年11月30日(木) Hard to thrill
 ラトルズ紙ジャケCD発売あのアナログ盤を完全復刻してくれるなら「買い」に決まってるけど。限定1000枚だと。


  
○JJケイル&エリック・クラプトン「THE ROAD TO ESCONDIDO」(2006)
 このアルバムをひとことで表すとすれば「中庸」だろうか。
 シブそうに見えてそれほどシブくはなく、アダルトオリエンテッドではあるけれどスウィートではなく、かといってブルージィというほどブルージィでもない。まあこれくらいのほうが、肩ひじ張らずに聴けていいかもしれない。
 自分の名前を最大限に利用して、尊敬する人に報いようとするクラプトンの態度、僕は嫌いではない。14曲中11曲がケイル翁の曲なんで、印税も相当入って、翁の暮らし向きもずいぶんとよくなることでしょう。

2006年11月29日(水) La Dolce Vita
  
○「KAHIMI KARIE presents CRUE-L CRYSTALLIZATION」(2006)
 で、これはカヒミ嬢選曲・監修によるクルーエル・レコード編集盤。
 既存の音源を使っているのに、まるで彼女のオリジナルアルバムのよう。しかも、昨日とりあげた新作と同じ手触りのものに仕上がっているのにはちょっと驚いた。アナザーNunkiというか裏Nunkiというか。
 二つのアルバムをセットで聴くことで新たなパースペクティヴが得られるかも、という期待を抱かせる。うむ巧妙。

2006年11月28日(火) 呼続
◆オアシス『Be Here Now』の曲を収録しなかった理由(BARKS)
 僕もきのうひさしぶりに「Be Here Now」聴いた。記憶にあったよりいいアルバムでした。やっぱ長いけど。


  
○カヒミ・カリィ「Nunki」(2006)
 傑作です。でも極北。極点まではいってないけど、氷原には到達している感じ。ものすごくひんやりしてます。
 大友良英が関わったトラックが8曲、ジム・オルークが3曲、ヤン富田が2曲。オルーク先生の作品が、どれもメランコリックかつメロディアスだったのが意外でした。子守唄のよう。
 こういう音楽聴いてると、ポップってなんだろう、としみじみ思いますね。だってこれ、間違いなくポップだもん。 

2006年11月26日(日) 孤独のグルメ
 これこれ読んで、なんのことかわけわからず????となっていたんですけど、この記事読んでやっと得心が。
 で、あらためて爆笑。ありがとうポトチャリポラパさん

(追記)テキストアップ時に、教授のアルバムジャケを並べてみたんですけど、もう一度見たらちょっとアレでしたので削除しました。すんません。

2006年11月25日(土) Cobwebs and strange
 ザ・フー「エンドレス・ワイヤー」ライナーノーツ翻訳。(from 「Things He Said Today」
 やたら細かく使用機材の記録を記すピートと、妙に熱いロジャーの対比がおもしろい。


   
○ザ・フー「アイム・ア・ボーイ」(1967/2006Reissue)「エキサイティング・ザ・フー」(1968/2006Reissue)
 日本グラモフォンから1960年代にリリースされていたザ・フー日本独自編集盤2枚の紙ジャケ復刻。
 最近は紙ジャケCDも毎月のようにどんどこリリースされるようになってきて、さすがに食傷気味になっているのですがこれはひさびさの快挙。生きてて良かった、と思えるアイテムです。オリジナルアナログ盤は、いまやかなりのレア物になっており、70年代後半からザ・フーを聴き始めた自分にとっては、きちんと手に取ったことのないアルバムだったものですから。

 「アイム・ア・ボーイ」は日本でのデビューアルバム。「マイ・ジェネレーション」日本盤LPよりリリースが数ヶ月早かったそうです。内容は、英国でのオリジナル・アルバム「ア・クイック・ワン」から「ソー・サッド・アバウト・アス」と「クイック・ワン」の2曲を外し、「アイム・ア・ボーイ」「恋のサークル」「イン・ザ・シティ」「ディスガイズ」を加えた全12曲。音源はステレオマスターからの24bitリマスター。名曲「アイム・ア・ボーイ」で始まって「ディスガイズ」(ザ・ジャムもカヴァーした隠れ名曲)で終わるのがかっこいい。キース・ムーンの破天荒なドラムスもたっぷり楽しめます。
 
 もう一枚の「エキサイティング・ザ・フー」は、「ハッピー・ジャック」「リリーのおもかげ」「恋のピンチ・ヒッター」というシングル3曲に、ジョン・エントウィッスル作のシングルB面2曲、ストーンズのカヴァー2曲(当時麻薬裁判に巻き込まれていたストーンズメンバー支援のために録音されたもの)、前述「ア・クイック・ワン」からの2曲、そして珍曲「ワルツ・フォー・ア・ピッグ」(ザ・フーの演奏ではないのにシングルB面に収録された曲。初CD化)を収録した10曲入り。けっこうねじくれた選曲なのが楽しいです。音源は当時リリースされた擬似ステレオではなくモノラルマスターからの24bitリマスター。

 紙ジャケとしての出来も最上級レベルなので、ザ・フー・ファンの方は今のうちにさっさと入手しておくのが得策だと思います。たぶんプレス数もそう多くないだろうし、しばらくたてばレア盤の仲間入りしそうですから。

 ちなみに、ディスクユニオンでまとめて購入すると、例のごとくファン心をくすぐる特典が付いてきました。そのおかげであっという間にDUでは売り切れちゃったみたいです。
 というわけで、写真を「資料館」の方にアップしてみました。こちらからどうぞ。

2006年11月23日(木) Glass Onion
 気になる表現。「○○のライヴに参戦する」。音楽系ブログでよく見かけるんだけど、この表現を見ると、どうもファンがステージ上でミュージシャンと殴りあったり、技かけあったりする映像が頭の中で再生されてしまうので困る。


  
○ビートルズ「LOVE」(2006)
 ギャラガー兄弟に「クズ」よばわりされてしまった可哀想なアルバム。
 でも僕はけっこう楽しめました。ジョージ・マーティン卿と息子ジャイルズ君は、このアルバムに収められた26のトラックを作るために、120曲以上の音源を使って切り張りをおこなったらしいんだけど、そういう意味での密度は濃いです。聴いてて「あ、これとこれがくっつくのか」「お、このフレーズをここに持ってくるとは」と思うシーンがいくつもあったし。特に「ドライヴ・マイ・カー〜ホワット・ユー・アー・ドゥーイング〜ザ・ワード」のつなぎ方なんか見事なもんだと思いました。
 しかしまあ、所詮すれっからしファン向けのアルバムだよな。ビートルズをほとんど聴いたことのない人がこれを聴いて楽しめるかどうかは疑問。「アンソロジー」と同じ類のブツです。
 だからあまり「新作だ新作だ」とかいって誤解を招くようなおおげさな売り方はやめた方がいいと思います。ま、商売だから仕方ないんでしょうけど。
 あ、ちなみに音質は素晴らしかったです。特にヴォーカルの生々しさにはちょっとびっくり。このクオリティで全アルバムをリマスターするんだとしたら(もう終わっているという噂もある)、そっちの方がよっぽど大事件だと思うよ。

2006年11月21日(火) People get ready
 スミルノフ教授公式ウェッブサイトで知ったこれ、すごいなー。「ドラムもピアノも演奏できません」というのがとても信じられないセンスの良さ。いにしえの「坂本龍一の電気的音楽講座」の映像版って感じか。同じ作者によるこの映像も素晴らしいです。


 
○アーロン・ネヴィル「ソウル・クラシックを歌う」(2006)
 アーロン・ネヴィルのソロ作を買ったのはひさしぶりだ。10年ぶりくらいかな。
 ネヴィル・ブラザーズの中で最も凶暴そうなルックス(リンク先真ん中に立っている人)なのに、ヴェルヴェットのようにスムースで美しい歌声を聞かせるアーロン氏であるが、今回はソウル・ミュージックの名曲を歌うというあまりにストレートな企画。サム・クックからモータウン、スタックス&アトランティック、シカゴ・ソウル、ハイ・サウンドまで。選曲もものすごくストレート。ソウル・ミュージックのコアなファンではない僕でも知っている曲がずらりと並んでいる。
 こうした選曲の裏には、アーロンが住む町ニューオーリンズを襲い、甚大な被害をもたらしたハリケーン・カトリーナのことがあるらしい。そのあたりは日本盤ライナーノーツを参照のこと。でもそんなことを知らなくても、心に響く歌が詰まった作品であることに変わりはない。メイヴィス・ステイプルズのヴォーカルが火を噴く「リスペクト・ユアセルフ」、チャカ・カーンとのデュエットによるスローな「レッツ・ステイ・トゥギャザー」なんてほんと良いです。
 それにしても、サム・クックっていうのは、いまだに彼らの精神的支柱であり続けているんだなあ…。そしてカーティス・メイフィールドも。この二人の曲の扱われ方を見ていると、つくづくそう思うのであった。

2006年11月20日(月) Wonderwall
  
○オアシス「ストップ・ザ・クロックス」(2CD+DVD)(2006)
 初のベストアルバム。
 あれが入ってないとかこれが入ってないとか、2枚組なのに収録時間が短すぎるとか、見事に既存音源ばかりだけど新曲「ストップ・ザ・クロックス」収録って話はどうなったんだとか※1、「アクイース」は新録じゃなかったのかよ※2とか、扱いにくいパッケージだなとか、トニー・マッキャロル※3は今なにしてんだとか、文句言おうと思ったらいつまででも言い続けられそうなアルバムだけども。(あ、最後のは文句じゃありませんでした。)
 でも、ノエル自身が「理想のセットリストを想定して選曲した」という曲の並びは圧倒的に良い。ギャンギャンうるさいギターといつまでたっても魅力的なメロディ。思わず通勤のクルマの中で最初から最後まで大声でシンガロングしちまったじゃねえか。
 で、聴いた後には、オリジナルアルバム全てを棚から引っぱり出してきて順々に聴き返したくなる。これはそういうアルバムでもある。勘弁してよ、他にまだ聴かなきゃならないものいっぱいあるんだから。
「たぶん俺は空を飛びたいだけ/生きていたいだけ 死にたくないだけ/たぶん息をしてるだけ/なにもかも信じられないだけ/たぶん お前も俺と同じだよ/奴らには絶対見えないものが見えるんだ/お前と俺は 永遠に生き続けるんだ」(「Live Forever」)

 初回限定盤に付属しているDVDには、「LOCK THE BOX」と題されたノエル&リアムによる全曲解説(40分もあるけどライヴ映像がいっぱい出てきて退屈しない)や、'94年シカゴでの「フェイド・アウェイ」、'96年ネブワースでの「シャンペン・スーパーノヴァ」(ジョン・スクワイアがゲストでギター弾いてる)、この間プレミア試写が行われたロードムービーの予告編が収録されてる。けっこう楽しめた。

                                                                       ※1 4パターン録音してはみたんだけど、ノエル御大がまだ納得していないので収録不可となったらしい。で、タイトルだけ残った、と。
※2 デマだそうです。ノエル本人がインタビューで言ってた。
※3 ファーストアルバムのリリース後にクビになった哀れなドラマー。明らかに力量不足だったけど。

2006年11月18日(土) 君は天然色
   
○「Niagara SPRING〜Niagara Cover Special」「Niagara SUMMER〜Niagara Cover Special」(2006)
 タワー・レコード×ナイアガラ・レコード企画によるトリビュート2種。やっと聴きました。(ここ半年ほどタワレコ行く機会がなかったという田舎もんでございます。)
 おーこれはなかなか良いですね。春盤も夏盤も、アートワークも含めて。
 参加アーティストそれぞれが、原曲を自分たちの中できちんと咀嚼したうえで、自らの持ち味を生かしてカヴァーしているのがよくわかります。新鮮で秀逸です。あの悲惨なCoaRecordsカーペンターズトリビュートとは天と地ほどの差があります。
 ところでこのシリーズ、当初は秋盤も冬盤も出るっていう話だったと記憶していますが、どうなったんでしょう。
 まあそのあたりの延期・中止・変更もナイアガラっぽいちゃぽいんですが。

2006年11月16日(木) It's not enough
 松田聖子トリビュートアルバム。選曲と歌手が微妙なようなそうでもないような。


  
○ザ・フー「エンドレス・ワイヤー」(2006)
 以前書いたことがあるように、僕にとってザ・フーは「最も思い入れのあるグループ」であり「一番好きなグループ」である。気がつけばファン歴も、もう少しで30年になんなんとしている。
 そんな人間にとって、この24年ぶりのニューアルバムは待ちに待った作品のはずだった。
 しかし実際に聴いてみると、これは少々厄介なシロモノであることが判明する。
 直截に「トミー」を連想させるジャケットデザイン。オープニングで流れるババ・オライリー変奏曲のようなシンセループ。
そして彼らの代名詞(のひとつ)である「ロック・オペラ」。どれもが「ザ・フー」を強く意識したものだ。
 だけど肝心の、バンドとしてのダイナミズムはどこへいっちゃったんだろう……(泣)。
 四角形を基本とし、その後キース・ムーンを失って三角形になっても、ザ・フーはまだちゃんとザ・フーだった。しかしジョン・エントウィッスルを亡くし、多角形を構成できなくなって、ザ・フーはザ・フーとして存在できなくなったのかもしれない。
 誤解のないように書いておくが、作品自体がダメだといっているのではない。何度も聴いているうちに各々の曲の良さも体感できるようになってきた。ただこれが、「ピート・タウンゼントのソロアルバムに、ロジャー・ダルトリーが全面的にゲスト参加した」という名目ならば、最初からもっと素直に聴けただろう、ということなのだ。ごくごく単純で単細胞で身勝手な話。

 と、いろいろごたくを並べながらも結局は、ライヴ音源付き日本盤ライヴ映像付きUS盤の2種を手に入れてしまっているんだから、ほんと始末に負えない。
 ちなみにライヴ音源・ライヴ映像ともに2006年7月17日、フランスはリヨンでのギグを収録したもので、少々ヨレつつも胸の熱くなる演奏であった。不思議とバンドとしてのダイナミズムも十分感じられて。あれか。ザックか。ザック・スターキーのせいなのか。 

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