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はてなダイアリー(Everything but Music)

2006年10月31日(火) They don't know
 そうか、キルスティン・ダンストってデボラ・ハリーに似てんのか……ちょっと目からウロコ。

   
○トレイシー・ウルマン「夢見るトレイシー」(1983/2006Reissue)「ハ〜イ!トレイシー」(1984/2006Reissue)
 今年3月にリリースされた紙ジャケ仕様盤。K2HDコーディング。
 オールディーズ・ポップスの現代的解釈ということに関していえば、いまだにこの2枚のアルバム以上のものはないと思う。ダスティ・スプリングフィールドやシャングリラス、コニー・フランシスといった王道から、ブロンディ、コーギス、ウェイトレスといったニュー・ウェイヴ勢までカヴァーする選曲。カースティ・マッコールによる極上のオリジナル曲。秀逸なプロデュース・ワーク。女優の余技だとはとても思えない見事な歌唱力。そういった要素が渾然一体となってこの傑作は形作られている。リリースされたのは20年も前で、もう「現代的解釈」どころじゃないはずのに全く古びていない。
 当時この2枚にノックアウトされた僕は、同種の音楽を探してマリ・ウィルソンなんかも聴いてはみたんだけど、やってることの外見は似ていていても、出てくる音はかなり違った。(あちらはもっと曲者です。)
 で、最近の例をあげればPipettesってことになるんだろうけど、トレイシー嬢に比べるとまだまだヒヨッコって感じだ。
 この路線がこの2枚だけで終わっちゃったのはほんと惜しいね。いつか未発表曲集とか出ないかな。

 YouTubeに映像があったので貼っておきます。「ブレイクアウェイ」「夢見るトレイシー「テリー」

 ※Wikipediaの記事見てびっくりした。まだ活動してるやん。

2006年10月30日(月) Oh you pretty thing
 
 前々から噂のあったデヴィッド・ボウイ紙ジャケのリリースがついに公式発表されたわけですが。
 どうも燃えないんすよね……この紙ジャケリリースラッシュ状況にはさすがに食傷気味。

 で、それよりも、エル・レーベルの紙ジャケの方に心惹かれたりして。でも昔、「アイヴォリー・タワー」「ユーリ・ガガーリン」はどうにも性に合わずに中古屋にたたき売ったことを思い出した。

 ということでやっぱりアラン・パーソンズ・プロジェクトのリマスター再発かなー。あの緻密なポップソングをおもいきり高音質で聴いたら気持ちよかろうねー。

2006年10月29日(日) Brazilian Dorian Dream
 げ。紙ジャケ掲示板3の情報によると、大貫妙子の紙ジャケが本人監修リマスターで12/20にリリースされるんだと。
 「ミニヨン」から「カイエ」までの6枚。この間、思い立って'99年リマスター盤をそろえたとこなのに…ううう。

 ソニック・ユースがレアトラック集をリリース。シングルBサイド曲を中心にしたものらしい。これはちょっと嬉しいっすね。どうせならコンプリートにしてくれるといいんだけど。来年リリースされるという「デイドリーム・ネイション」のリイシューも楽しみ。


 
○イザベル・アンテナ「French Riviera」(2006)
 80年代にクレプスキュールの代表的歌姫として活躍したイザベル・アンテナの新作は日本制作。福富幸宏氏を総合プロデューサーに、日本のクラブ/ジャズ系アーティストが各曲をプロデュースしています。その方面はあまり詳しくないんであれですが、元シンバルズの沖井礼二氏や藤本一馬氏(オレンジ・ペコー)も参加してます。
 1曲目「The French Riviera」が抜群に良いのですが、それ以外もなかなかクオリティが高くて、ボッサ&サンバ系ラテン、フレンチポップス、ジャズ、とスタイルは様々でありながら、統一感があって心地よいサウンド。プログラミングと生音のブレンド具合もちょうど良い感じだし。
 でも、これ聴いてて、日本人って几帳面だなーと思いました。一曲一曲がほんと丁寧に作ってあって、海外のこの手のアルバムにありがちな「ゆるさ」とか「エエ加減さ」というのが全くないんで。そのあたり、下手すれば息苦しくなったり面白みに欠けたりする場合もあるんだろうけど、これは「吉」と出ているんではないでしょうか。
 発売元のGATE RECORDSのサイトで試聴できるんで、興味を持った方はどうぞ。

2006年10月25日(火) Take what you take
 ソニー紙ジャケ再プレス。店によってはいまだに豪快に在庫のあるエアロスミスはともかく、ディランやクラッシュはもうなかなか見つからないので、買っておいた方がいいかも。
 それはそうと、ジョン&ヨーコのアヴァンギャルド三部作紙ジャケは困りますね。でも、持っているだけで聴かないのなら、ジャケを楽しめるぶんプラケよりましか。


  
○リリー・アレン「オーライ・スティル」(2006)
 母親がスリッツのメンバーだったとか、父親がニュー・オーダーやブラーとも親交のある有名コメディアンだとか、MySpaceに曲をアップして契約をとっただとか、あまりにあまりな内容の歌を唄っているとか(「あんたがあたしを捨てたとき まだあたしは別れたくなかった/でもあんたは隣の部屋の女とファックしてたんだよね」)、ジャケットがダサダサだとか、そんなことは全部脇においときましょう。ただただシンプルに、CDから飛び出してくるサウンドそのものを楽しめばいいのです。彼女の音楽は、21世紀型でありながら同時に20世紀型で、スカで2トーンで、ニューオーリンズでニューウェイヴでアイズリーブラザースで、果ては「エマニエル夫人」まで登場して、その曲がちょっと泣けたりもする。「ブリリアント・ポップ・ミュージック」。いいんじゃないすか。トラックメイカーが優秀なのは間違いないけど、けっしてそれだけのもんじゃないと思うよ、これは。
 日本盤は、ボーナストラック2曲追加にPVも1曲収録で税込1,980円なり。やればできるじゃん、東芝EMIも。

 試聴がわりにPVを紹介しときます。
▽「スマイル」
 「あんたが泣いてるのを見ると自然に笑みがこぼれてくる/ちょっと悪いかなって思ったりもするけど やっぱり笑みがこぼれちゃう」
 こえー。こえーよ。
▽「LDN」
 ファンタジーをリアリティにひきもどしてしまう魔法使い。いかにも。


※お母さんの名前はAlison Owenっていうらしいんだけど、メンバー変遷表見ても名前がでてこない…。

2006年10月24日(火) Welcome to the overground
 この「アフィニティー完全盤」ってやつ、もう担当者の頭のネジがはじけとんだとしか思えないブツ。ここまでやるか。


  
○バッドリー・ドローン・ボーイ「BORN IN THE U.K.」(2006)
 2年ぶりの新作。そういや前作は、CCCDを敬遠して結局聴かなかったんだった。というわけで、僕にとっては3年ぶりの新作ということになる。
 まずアルバムタイトル。これはおちょくりでも冗談でも皮肉でもなんでもなくて、デーモン・ゴフ(=Badly Drawn Boy)が、スプリングスティーンの熱狂的なファンであるかららしい。あまりにストレートすぎる気もするけど。
 次に曲。嬉しいことに、1曲目からラストまで、無頼のようにみえて実はリリカルな”酔いどれ吟遊詩人節”がたっぷりと堪能できる。それぞれが曲間なしでつながっていることもあって、全体がひとつの大きな曲のようにも思えてくる。たまらなく良い。
 いったんはスティーヴン・ストリートをプロデューサーに迎えて録音を始め、ほとんどできあがっていたのにデーモン自身が納得いかず、そのセッション音源はお蔵入りに。そして今度はニック・フラングレン(レモンジェリー)のプロデュースによって、ほぼまるっと新しくつくりあげたのが本作だそうだが、この音楽を聴いている限り、そんな産みの苦しみは全く感じられない。こちらはただひたすらメロディの波に揺られているだけ。
 最後に歌詞。心にひっかかる言葉がいくつもあった。これはさらに聴きこんでいくべきかな。
「冬はやってくる いやだといっても必ず/成長するにしたがって 僕たちは自らの声を見いだす/彼女は振り返る スイミング・プールは凍りついている/向こう岸にスケートしていけるよ 元気いっぱいに 誇りを胸に」(「The Swimming Pool Is Still On Order」)

(追記)「Nothing's Gonna Change Your Mind」のPV、いいなあ。僕もこんなクルマが欲しい。

2006年10月19日(木) Catch your wave
  
○ザ・クリック・ファイヴ「グリーティングス・フロム・イムリー・ハウス」(2005)
 6月に日本盤が出たときに、店頭試聴して気に入ったので買ったくせに、聴くのをすっかり忘れてた。
 アイドルグループ的要素も持ったボストン出身のパワーポップバンド。これがファーストアルバムなんだけど、新人バンドだとはとても思えないくらい高クオリティで密度の濃い作品だ。
 しかし、あまりに完璧すぎてスキがなさすぎるのがちょっと気にはなる……。おまけにメンバーの多くがバークリー音楽院出身で、しかも「Angel To You(Devil To Me)」って曲はポール・スタンレー(もちろんKISSの)との共作、エリオット・イーストン(カーズ)がギターでゲスト参加ときた。イヤミったらしく”パワーポップ・ヤッピー”とでも呼ぼうか。
 まあでも、オープニング曲「Good Day」はパワーポップ史に残る名曲だと思います。これはイヤミでなくマジで。ウソだと思う人はここで試聴してみてください。
 日本盤は、ボーナストラックを2曲追加したうえにPVも2曲収録、という大盤振る舞いで1,780円という価格。ナイス。

2006年10月17日(火) I wanna be me
  
○セックス・ピストルズ「SPUNK」(1977/2006Reissue)
 7月にリイシューされた「スパンク」のリマスター盤。ブートではなくサンクチュアリからのオフィシャルリリース。
 '76年7月、10月、'77年1月のレコーディング・セッション(いわゆる”Dave Goodman Demo”)を収録し、ヴァージン・レコードから「勝手にしやがれ」がリリースされる直前に突然リリースされた悪名高き「もうひとつのデビューアルバム」。(ピストルズのマネージャーであったマルコム・マクラレンがリリースに関わっていたとも言われている。)
 ここでは、クリス・トーマスに”お化粧”される前の生のピストルズ・サウンドが聴ける。当時ライヴで見たらきっとこんな音を出していたんだろうと思わせる音。あれはあれでかっこいいけど、これはこれでまたかっこいい。ベースが全曲グレン・マトロックだというのもいい。
 ピストルズって、「勝手にしやがれ」がリリースされるまでに、かなり多くのレコーディング・セッションをおこなっているわけだけど(くわしくはここ参照)、どのテイクがどのCDに収録されているかをまとめたこの表を見ると、今回のリイシュー盤に収録されたテイクは、意外と、SEXBOX1(2002年リリースの3枚組ボックス)収録テイクとは重なっていないのがわかる。(ボーナストラックを含む15曲中ダブりは7曲。ダブり曲も微妙に長さが異なる。編集が違うのか?)
 というわけで既にボックスを持ってる人には悩ましいですが、入手するしかありません。
 ちなみに、もうすぐリリースされる日本盤よりも、amazonで扱っている輸入盤が圧倒的に安いので、そっちをおすすめします。

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