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2007年2月28日(水) Sleeping lessons
  
○ザ・シンズ「ウィンシング・ザ・ナイト・アウェイ」(2007)
 米国ニューメキシコ州アルバカーキ出身のインディー・ポップ・グループ。
 ブライアン・ウィルソンをひきあいに出す人もいるようだけど、僕の印象は「元気のないジェリーフィッシュ」もしくは「ギターをあまり弾かないマシュー・スウィート」という感じ。このニュアンスわかってもらえるでしょうか。※1 
 または「明白なるインドア・ポップ」もしくは「ヘッドフォン・ミュージック」といってもいいか。※2
 シングルカットされた「ファントム・リム」なんか純粋ポップ好きにはたまらんはずです。
 試聴はこちら。そして前述「ファントム・リム」のPVはこちら。PVとしての出来はともかく、とことん非フォトジェニックなグループのたたずまいは一見の価値あり。音だけ先に聴いて現物みたらショック受けるよこれは。
 それとジャケの気色悪さ。自己韜晦なんでしょうか。タワレコにずらーっとディスプレイしてあるのを見たときは、本気でその場を避けてしまった。もっと素直になればいいのに。


※1 とりあえず誉めてますので誤解なきよう。
※2 引き続き誉めてますので。マジで。

2007年2月27日(火) You're crashing, but you're no wave
  
○フォール・アウト・ボーイ「infinity on high」(2007)
 シカゴ出身のポップ・パンク・バンド。もう近頃はこういうのの区別が全然つかなくて。名実ともにオヤジになったってことなんだろうな。情けない。
 でもこのパワーポップとパンクのキメラみたいなメロディ&サウンドを聴いていると、自然に身体は反応してしまう。さらに情けない。「ヒラメキで踊り狂う サルのレベル」だよまったく。とりあえず「三つ子の魂百まで」ってことにしてごまかしとく。
 まあマイ・ケミカル・ロマンスよりはまっとうな青春ぽいか。基本的スタイルはそんなに変わらないけど。でもなんかドラムスがもたもたばたばたしてるんで、そのあたりがいまいち聴いていてどこかすっきりしない原因かもしれないなあ。
 試聴はこちらでどうぞ。


 ※「三日月ロックその3」(作詞:草野正宗)より。

2007年2月26日(月) Stranded in the jungle
◆ELO紙ジャケ第2弾&Idle Race再発!(HMV Japan)
 出ましたね。今回の紙ジャケもあいかわらず高クオリティ。特に「アウト・オブ・ザ・ブルー」はすごいことになってます
 アイドル・レース再発も嬉しいなー。ちゃんと聴いたことがないのでこの機会に入手しよう。


  
○ニューヨーク・ドールズ「悪徳のジャングル」(紙ジャケット仕様)(1974/2006reissue)
 未聴紙ジャケCDを淡々と聴くよ。その10。
 プロデューサーに、シャングリラスなどを手がけたジョージ・"シャドウ"・モートンを迎えて制作されたセカンドアルバム。
 そのせいかオールド・ロックンロール風味が随所に。カヴァー曲が4曲収録されているというのも特徴的だ。代表曲のひとつとなった「Stranded In The Jungle」(オリジナルはカデッツ)はもちろん、アーチー・ベル&ザ・ドレルズのカヴァー「Showdown」がめちゃくちゃカッコいい。パンクっぽさからいうとファーストに軍配が上がるのかもしれないけど、このセカンドも捨て難い魅力をたたえている。ジョニー・サンダースはきゅんきゅんギター弾きまくってるしね。

「もし俺が王のように振る舞っているというのなら それは俺が人間だから/俺が多くのものを求めすぎているというのなら わかるだろう それは俺が人間だから/俺が夢を見るのは ベイビー 俺が人間だから/俺が少々下品なのは 俺が人間だから」(「Human Being」)

 紙ジャケはE式シングルジャケット、ノン・コーティング。内袋とレーベルも再現。そして2006年24bitリマスター。
 ディスクユニオンで買ったら、ミニチュアレプリカ帯がオマケに付いてきました

2007年2月25日(日) Come together
◆イアン・ウォーレス、死す(DGM Live!)Fractalism経由。
 2月22日朝、食道癌のため死去。60歳。
 「アイランド」期のキング・クリムゾンのドラマー。彼の演奏は、ジャクソン・ブラウンのバックバンドの一員として来日した際に生で聴いたことがあります。(1987年1月 "Lives In The Balance" ツアー。新宿厚生年金会館にて。)元気の良いドラムを叩く人、という印象でした。そういや「アースバウンド」でもそんなドラムでしたっけ。
 英語版Wikipediaには、既に死去のことが記載されています。R.I.P


  
○「僕の音盤青春記 1971-1976」(絵と文:牧野良幸)(2007)
 イラストレーター牧野良幸さんの本が出ました。
 牧野さんといえば、サイト「マッキー.jp」内の日記「マッキーのひとりごと」が大好きで、いつも楽しみにしているのですが、今回の本は自らが中高生だった頃のリスナー生活を振り返った「70年代音盤"超私的"イラスト・エッセイ」。
 かつて「ロック思い出し笑い」なんて駄文を書いていた身としては読まねばなりません。

 中学二年生(1971年)から始まり、大学に合格し高校を卒業するまで(1976年)の間に牧野さんが夢中になって聴い
た音楽と、それにまつわるエピソードが、コミカルで暖かいイラストと文によって年代順に綴られています。音楽に対する愛情がひしひしと伝わってくる良い本だと思いました。音楽好きならば誰でも覚えのある「音楽を聴くことがほんとうに幸福だった時期」(略して「音幸期」。それは時代に関係なく、その人の中高生時代であることが多い。)が見事に切り取られているのですから。
 特に、70年代から80年代に洋楽ロックを夢中で聴いていた人間(僕もそのひとり)ならば、自らの「音幸期」を重ねあわせながら読むこともできるでしょう。そういう意味でこれはほんとうに「幸福な本」です。

 牧野さんは1958年生まれだそうですから、僕より6歳年上になるわけですが、そのころの洋楽メインストリームは「ビートルズ、サイモン&ガーファンクル、エルトン・ジョン」だったんですね。僕の世代だとそれが「キッス、クイーン、チープ・トリック」になります。中高生が音楽を録音するために必須だったテープレコーダーも、牧野さんの時代はオープンリールで、僕の時代は(最初から)カセットテープ、高くてなかなか買えなかった洋楽LPの値段は2000円に対して2500円、と、そういうディテールの違いも興味深かったです。

 あの頃はいろいろなレコードが聴きたくて聴きたくてたまらないのに、小遣いが少ないもんだからどうにももどかしくて、なんとかやりくりをして買ったLPを隅から隅まで舐めるように聴いたり、友達とLPを貸し借りして録音して聴いたり、と必死でしたね…。今こんなに大量のCDを購入しているのは、その時代への復讐なのかもしれません。
 でも、不自由だった時代の方が、音楽が自分に与えてくれる幸福の純度も高かったような気がするのです。

 この本、税込み1890円という値段はちょっと高く感じられるかもしれませんが、なんといってもオールカラーですし、1エピソードごとの密度も濃く、実に読みごたえがあるので、ぜんぜん損した気にはなりませんでした。
 牧野さんのサイトにある特設ページで内容の一部を見ることもできるので、興味を持った方はまずそちらをご覧になられるとよいかと思います。

2007年2月22日(木) Lonely planet boy
◆恵比寿コステロ画伯コレクション(子供騙しの猿仕事日記)
 へへ。へへへへ。へへへっへへへへへはひっひっひわああはははは。腹痛い。


  
○ニューヨーク・ドールズ「ニューヨーク・ドールズ」(紙ジャケット仕様)(1973/2006reissue)
 未聴紙ジャケCDを淡々と聴くよ。その9。
 帯に「ニューヨーク・パンクを代表するバンド」と書いてあるけど、ニューヨーク・パンクという現象が表面化してくるのは一般的には1975〜77年あたりだろうから、1973年にこのアルバムをリリースした彼らのことを「代表するバンド」と呼ぶのはさすがに苦しい。でも、後続のバンドに強い影響を与えたのは確か。ニューヨーク・パンクより、むしろUKパンク(特にセックス・ピストルズ界隈。マルコム・マクラーレンはもともとドールズのマネージメントやってたわけだし)への影響力の方が強いかもしれない。それは彼らのサウンドを聴いてみればすぐに理解できるはずだ。
 まあそんなゴタクはともかく、このアルバムはカッコいい。発表から30年余が経過した現在も効力を失っていないし、不思議にリアルだ。一度は体験しておくべきアルバムでしょう。

 紙ジャケはA式シングルジャケット、ノン・コーティング。内袋とレーベル面の再現も行われている。リマスターは日本国内で行われたもののようだが、悪くない。少なくとも、今まで聴いてきたプラケ盤の音質よりはずっと良くなってると思いました。


※「ニューヨーク・パンクを代表する」アーティスト群が、それぞれのファーストアルバムをリリースした年は以下のとおり。
  ◇パティ・スミス「ホーセス」(1975)
  ◇ラモーンズ「ラモーンズの激情」(1976)
  ◇ブロンディ「妖女ブロンディ」(1976)
  ◇テレヴィジョン「マーキー・ムーン」(1977)
  ◇リチャード・ヘル&ヴォイドイズ「ブランク・ジェネレーション」(1977)
  ◇トーキング・ヘッズ「サイコ・キラー'77」(1977)

2007年2月20日(火) My world fell down
◆ザ・ジャム、ポール・ウェラー抜きで再結成!UKツアーに続き新作も計画中(CDJournal.com)
 イタタタタ………よっぽど生活苦しいんだね、ブルース&リック。


  
○「LOVE WILL TEAR YOU APART」(2007)
 MOJO2007年2月号付録CD。副題は「15 HAND-PICKED TRACKS OF HURT, PAIN & DESPAIR」。つまり「痛みと絶望の歌曲集」ということだ。タイトルから容易に想像されるように、そのコンセプトはジョイ・ディヴィジョンにインスパイアされたもの。ジャケットもあのシングルを意識している。そしてSusanna & The Magical Orchestraによる同曲の秀逸なカヴァーも収録。詳細なトラックリストは以下のとおり。
01. Sparklehorse - Shade And Honey
02. Jim Reid - I'm Stranded
03. Nina Simone - Little Girl Blue
04. Jarvis Cocker - Baby's Coming Back To Me
05. Chris Farlowe - I Just Don't Know What To Do With Myself
06. Townes Van Zandt & Willie Nelson - Marie
07. Elbow - Scattered Black And Whites
08. Elliott Smith - Twilight
09. Susanna and the Magical Orchestra - Love Will Tear Us Apart
10. Jon Auer - Green Eyes
11. Jane Weaver - Once You'd Given Me Up
12. Galaxie 500 - Sorry
13. Buffseeds - Sparkle Me
14. The Ivy League - My World Fell Down
15. Thirteen Senses - Follow Me
 正直ちょっと取っ散らかった印象はある。その原因はたぶん、ニーナ・シモンとかクリス・ファーロウとかアイヴィー・リーグとかいった50-60年代音源が収録されているからだろう。それらも確かに名演ではあるのだけど、この場にはそぐわない。痛みや絶望の質が明らかに違うから。パンク以後の音源だけに絞って編集すればもっとすっきりしたのにな。
 まあでもやっぱり、MOJO侮り難しではあります。元ジザメリの方による02はこのコンピのために新たに録音されたものだったりするし。
「何千年も君の顔を 見つめ続けることだってできたはず/それはまるで内戦のようなもの/痛みと歓喜の」
 (「Shade And Honey」 by Sparklehorse)

2007年2月19日(月) All this crazy gift of time
◆Pop Group『Y』Rhino発リマスター!(HMV Japan)
 ふむ。これは期待していいかも。


  
○「THE QUIET REVOLUTION」(2006)
 英MOJO誌2006年10月号の付録CD。副題には「A SUMMER FOLK COMPEMDIUM」とある。
 これは実に素晴らしい編集盤であった。収録曲は以下のとおり。   
01. Kevin Ayers - All This Crazy Gift of Time
02. Akron/Family - Gone Beyond
03. Diane Cluck - All I Bring You Is Love
04. Vashti Bunyan - Rose Hip November
05. Pentangle - Helping Hand
06. Woven Hand - Swedish Purse
07. Shelagh McDonald - Stargazer
08. James Yorkston - Summer Song
09. Josephine Foster - There Are Eyes Above
10. John and Beverley Martyn - Go out and Get It
11. Bert Jansch - The Black Swan
12. Espers - Children of Stone
13. Davy Graham - Blues Raga
14. Pete Brown & Piblokto! - Broken Magic
15. Sweet Billy Pilgrim - Stars Spill out of Cups
 ヴァシュティ・バニヤンやペンタングル、シェラ・マクドナルドといった英国フォーク・クラシック曲と、21世紀のフリー・フォーク/アシッド・フォーク系音源が、なんの違和感もなく混じりあっている。ケヴィン・エアーズやピート・ブラウンといった、単純に”フォーク”というジャンルで括ることのできない人たちの音源も良いスパイスになっているし。
 フリー・フォーク/アシッド・フォーク系についてはなにも知らないに等しく、したがって、自分にとっては名前すら聞いたことのないアーティストの曲ばかりが並んでいるわけだけど、実際聴いてみると胸に響いてくるトラックばかりだったのには少し驚いた。
 特にJames Yorkston(8曲目)という人の曲が個人的なツボにはまる。ジャケも好みだし、アルバム聴いてみるか…

2007年2月18日(日) Never forget
  
○モーニング娘。「笑顔YESヌード」(2007)(CD+DVD)
 ファンキーな新曲。嫌いではないんだけど、ちょっと中途半端かな……シングルB面曲ぽいというか。
 10年後に”和製レア・グルーヴ”とかいってクラブとかかかってそうな感じではある。カップリング曲の方がむしろ王道でしょう。(あ、カヴァーなのかカップリングは。
 なにも考えずに2種類ある限定盤のうちDVD付きのものを買ったんだけど、PVが入っている訳じゃありませんでした。
 新メンバーオーディション映像+ジャケット撮影メイキング映像+各メンバーひとりひとりに新メンバーの印象などを訊いたインタビュー集という内容。これで44分もある。(各人3分〜5分くらいしゃべってるんで。) うーん。
 新メンバー光井愛佳さんにとってはこのうえない記念になるのでしょうが、僕にはちょいツラい内容のDVDでした。
 なお、PVはここでフル試聴できます。

2007年2月17日(土) Chocolate disco
   
○Perfume「Fan Service<sweet>」(2007)(CD+DVD)
 豪華仕様のマキシシングル。DVDと20Pフォトブックレットが付属。ファンへのバレンタイン・プレゼントというわけだ。
 収録曲「チョコレイト・ディスコ」「Twinkle Snow Powdery Snow」は、両方とも中毒性の高いナンバー。一度聴いたが最後、頭の中をフレーズがぐるぐるぐるぐる回る。飢餓状態を煽っておいてからこんな中毒性の高いブツを流通させるなんて、まるで反社会的組織のやり口だよ。
 さらにPVも高クオリティ。彼女たち自身もどんどんあか抜けてきている。これだから十代の女の子は恐いね。
 ちなみにどちらのPVもここで試聴可能です。

2007年2月15日(木) 木漏れび
  
○湯川潮音「雪のワルツ」(2007)
 夏盤「紫陽花の庭」と対をなす「冬盤」ミニアルバム。
 あいかわらず彼女の歌自体は素晴らしいのだけど、曲調の似たトラックが並んでいてモノトーンな印象を受けた。アルバムとしてはやや単調すぎるような気も。まあ繰り返し聴けば気にならなくなってはくるのだが。
 それにしても、70年代フォークがやりたいのかなあ彼女は。懐古的な方向にばかり振れないで、もっと尖った方にいってもいいと個人的には思う。せっかくこれだけの資質があるのだから。
 いちばん好きな曲は「知らない顔」。彼女の声が前へ前へと出てくるところが気に入っています。PVも良いですね

 そういえば、このアルバムでアレンジを担当している宮川弾とコンビを組んで、ナイアガラトリビュート秋冬盤に参加するらしいですよ。曲は「木の葉のスケッチ」。試聴してみたら、なんとデュエットの模様。おお。

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