◎<ウェイティング・フォー・コロンブス> 1.ジョイン・ザ・バンド 2.ファット・マン・イン・ザ・バスタブ 3.オール・ザット・ユー・ドリーム 4.オー・アトランタ 5.オールド・フォークス・ブギ 6.タイム・ラブズ・ア・ヒーロー 7.デイ・オア・ナイト 8.マーシナリィ・テリトリー 9.スパニッシュ・ムーン 10.ディキシー・チキン 11.トライプ・フェイス・ブギー 12.ロケット・イン・マイ・ポケット 13.ウィリン 14.ドント・ボガート・ザット・ジョイント 15.アポリティカル・ブルース 16.セイリン・シューズ 17.頼もしい足 |
★<ウェイティング・フォー・コロンブス> リトル・フィート
1969年のロス・アンジェルス。
マザーズ・オブ・インベンションのメンバーであったローウェル・ジョージは、バンド・リーダーであるフランク・ザッパの部屋を訪ねます。
ローウェル「あの、フランク、曲作ったんでバンドで使ってもらえんやろか。トラック・ドライバーの歌で『ウィリン』ゆうんやけど…」
フランク「歌ってみ」
ローウェル「♪…and If you give me weed ,whites
and wine 〜♪」
フランク「なかなかええ歌やないか。しかしな、ドラッグの出てくる歌はワシのバンドでは禁止や。どしても歌いたかったら、自分でバンドつくるんやな。」
ローウェル「ほな、そうさしてもらいまっさ」
こうしてローウェルは、マザーズのオーディションを受けに来たビル・ペイン(キーボード)、旧友のリッチー・ヘイワード(ドラムス)、マザーズの仲間であったロイ・エストラダ(ベース)とともにリトル・フィートを結成し、71年にデビュー。72年のセカンド・アルバム発表後、エストラダが脱退しますが、メンバー増強をして6人組になった新生リトル・フィートは名作「ディキシー・チキン」をリリースします。
商業的には成功しなかったものの、ニューオーリンズR&Bやファンク、ブルースなどの要素をたっぷり吸い込んだ彼らの音楽は評判になりました。
ルーツ・ミュージックを演奏してもザ・バンドのように泥臭くならず、むしろ都会的であったのが彼らの音楽の特徴でしょう。また、ローウェルの見事なスライド・ギターを始め、ビル・ペインのアタックの強いピアノ、リッチー・ヘイワードの絶妙なドラムスなどメンバー各人の卓越したプレイヤビリティも魅力でした。
そんな彼らの音楽を十分楽しむには、78年に発表されたライブアルバム「ウェイティング・フォー・コロンブス」が最適。ただひたすら彼らの弾く楽器の音を聴いているだけで、音楽を聴く喜びを感じさせてくれます。
79年の解散、ローウェルの急死、88年の再結成。現在も元気に活動を続けている彼らですが、ローウェルがいない以上、この時代の音を再び聴くことは不可能でしょう。そう考えるとこのライブアルバムが余計に愛おしく思えるのでした。
来年1月には、77年のライブ映像がDVD発売されるとのニュースも入ってきました。全くといっていいほど映像資料のなかったバンドなので、今から本当に楽しみです。
(2000/11/5)
(追記) DVDは予定より少し遅れて2001年の2月末に発売された。タイトルは「ロックパラスト・ライブ」。
まさに「ウェイティング・フォー・コロンブス」映像版といった趣で、リトル・フィートのファンだったら必見でしょう。
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