◎「カール&ザ・パッションズ〜ソー・タフ」 1.メス・オブ・ヘルプ 2.いかしたあの娘 3.ヒー・カム・ダウン 4.マーセラ 5.ホールド・オン・ディア・ブラザー 6.うまくやろうぜ 7.オール・ディス・イズ・ザット 8.カドル・アップ |
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◎「ビーチ・ボーイズ・イン・コンサート」 1.セイル・オン・セイラー 2.スループ・ジョン・B 3.トレーダー 4.僕を信じて 5.カリフォルニア・ガールズ 6.ダーリン 7.マーセラ 8.キャロライン・ノー 9.この町を去り 10.英雄と悪漢 11.あの娘はファンキー 12.レット・ザ・ウインド・ブロウ 13.ヘルプ・ミー・ロンダ 14.サーファー・ガール 15.素敵じゃないか 16.ウイ・ガット・ラブ 17.ドント・ウォリー・ベイビー 18.サーフィンU.S.A. 19.グッド・バイブレーション 20.ファン・ファン・ファン |
★<The Beach Boys in 70's>
みなさんはビーチ・ボーイズと聞いてどんなイメージを思い浮かべますか。
月並みだけど、夏、海、サーフィン、車と女の子、ですかね。
確かに初期の彼らの音楽はそのイメージそのものでした。しかし60年代後半、あのイノセントな傑作「ペット・サウンズ」を経て、ブライアン・ウィルソンが神経衰弱によりダウン。やむなく残りのメンバーで懸命にバンドを立て直そうとした70年代の彼らのアルバムは初期の「シンプルで明るい」イメージを覆すものだったのです。
長らく入手しにくかったそれらのアルバムが、このたびリマスター盤として再発されました。
その中で聴くべきアルバムをまっとうにおすすめするならば「サンフラワー」('70)もしくは「サーフズ・アップ」('71)あたりでしょうが、「カール&ザ・パッションズ」('72)も意外にいいですよ。
今までこのアルバムに対していい評価を与えているレビューを見たことがありませんが、決して「唯一『マーセラ』のみ聴く価値あり」などというレベルの駄作じゃありません。エルトン・ジョンも発売当時から愛聴しているとライナーノーツで告白しているくらいなんですから。
南アフリカ出身の黒人ミュージシャン2人を正式メンバーに加え(そんな時代があったんですよ。知ってました?)、時にはワイルドに、時にはアーシーに、そして時にはロマンティックに、大人になったビーチボーイズを聴かせてくれます。
同じメンツでのライヴを収めた「イン・コンサート」('73)も楽しめます。初期のサーフィン・ソングもこの時代のサウンドの脈絡の中で再解釈されて違和感なく演奏されています。現役のバンドとしてのプライドがひしひしと伝わる充実したライヴです。
「ビーチボーイズは60年代で終わった」と思っているあなた(かつては私もそうでした)、ぜひ70年代の彼らを体験してみてください。
(2000/10/7)
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